疲労回復にぴったり!元気チャージできる飲み物

drinks-recovering-tiredness疲れ・ストレス

記事監修

+kampo(プラス漢方) 笹森有起
オフィス薬局 管理薬剤師

「最近なんだか、やる気が出ない。」
「疲れを取って、元気よく仕事や家事をこなしたい。」

疲れがたまって、気分がすっきりとしない毎日を過ごしていませんか?
朝の一杯や、仕事の合間のブレイクタイムに、疲労回復できる飲み物がおすすめです。

こまめな疲労回復は、気持ちをリフレッシュさせ仕事の効率もアップ。

今回の記事では、薬剤師が以下のことについて解説します。

  • 疲労回復に良い栄養素と食品
  • おうちでも簡単に作れる疲労回復にぴったりな飲み物

疲労回復に役立つ栄養素を積極的に摂ることで、効果的に疲労回復につながるので参考にしてください。

手軽に手に入る飲み物で疲労回復

飲み物で疲労回復疲労回復の方法は多々ありますが、飲み物の利点は手軽に素早く摂れるということです。
仕事の小休止で飲むドリンクは気分転換にもなり、精神的疲労の回復にも役立ちます。

では、そもそも疲労とはどのようなものなのでしょうか。

疲労ってなに?

疲労には一時的な疲労と、慢性的な疲労があります。
中でも慢性的な疲労は病気の一歩手前、未病の状態。

疲れがたまる前にこまめに疲労回復することが大切です。
疲労について、こちらの記事で詳しく解説しています。

そもそも疲労ってなに?疲労の種類と原因を解説

栄養たっぷりの飲み物で疲労回復

疲労回復ドリンクというと、ビタミンやカフェインが含まれている栄養ドリンクが主流です。

栄養ドリンクのカフェインは30分~1時間で効き始め、2時間ほど作用が続きます。
一時的な疲労を回復させるには効果的ですが、慢性的な疲労を改善するには至りません。

慢性的な疲労を和らげるためには疲労回復に良い栄養素を摂り、しっかり休養することが大切です。

飲み物に含まれる疲労回復に効果的な栄養素

飲み物に含まれる疲労回復の栄養素疲労回復の作用がある栄養素には次のようなものがあります。

エネルギーを作り出すことをサポートビタミン、クエン酸
疲労に関わる活性酸素を除去ポリフェノール、クエン酸
自律神経を整えて疲労回復をサポートアミノ酸

それぞれの栄養素がどのような働きで疲労回復させるのか、詳しく見ていきましょう。

また、栄養素を効果的に摂るためのおすすめの食品もご紹介いたします。

ビタミン

ビタミンは人間の身体の中では、ほとんど作ることができない栄養素です。

中でもビタミンB群やCは、三大栄養素である脂質・炭水化物・たんぱく質から私たちの体に必要なエネルギーの作成をサポートします。

ビタミンB群が不足するとエネルギー不足となり、疲労を感じやすくなります。[1]
またビタミンCは、ストレスを和らげるホルモンを分泌する際に必要です。

心身の健康を保つためには、適切な量のビタミンを摂取することが重要です。

ストレスが多い人はビタミンC、運動量が多い人はビタミンB₁などをしっかり摂取することがおすすめです。

ライフスタイルや体調に合わせて、摂取するビタミンを選びましょう。

ビタミンは、体内で他のビタミンやミネラルなどの栄養素と関わりあって機能します。
1種類のビタミンだけ過剰に摂るのではなく、バランスよく摂取しましょう。

疲労とビタミンの関係についてはこちらの記事を参考にしてみてくださいね。

疲労回復に必要なビタミンの働きを薬剤師が解説

ポリフェノール

ポリフェノールは植物に含まれる抗酸化成分で、疲労の原因の1つである活性酸素を除去する作用があります。

ほとんどの植物に含まれ、その数は5000種以上。
種類によって、抗酸化作用以外にも様々な特徴があります。

代表的なポリフェノールには、次のようなものがあります。[2]

多く含まれる食品おすすめしたい方
アントシアニンブルーベリー目が疲れやすい方
イソフラボン大豆更年期の女性の方
セサミノールゴマコレステロールが気になる方
カテキン緑茶、紅茶若々しくいたい方

自分に合ったポリフェノールを食品やサプリメントなどで補うのもいいですね。
ブルーベリージュースや豆乳、お茶などは手軽にポリフェノールを摂れるおすすめの飲み物です。

クエン酸

体内でエネルギーを作りだすシステムがクエン酸回路です。

たんぱく質、脂質、炭水化物は分解されて、クエン酸回路を通過することでエネルギーを生み出します。[3]

クエン酸で疲労回復引用 共立食品 クエン酸の効果とは?

さらにクエン酸は抗酸化作用を持ち、疲れの原因にもなっている活性酸素を除去

クエン酸は柑橘類に多く含まれ、酸味の元となる成分です。
農林水産省が発表している、クエン酸を含む主な柑橘類は次のものがあります。[4]

100gあたりのクエン酸含有量
かぼす・ライム・シークァサー6g
すだち4.5g
レモン3g
温州みかん1g

クエン酸というとレモンのイメージがありますが、クエン酸の含有量はかぼすやライムなどの方が多いことが分かります。

疲れた時の食事に、柑橘類の薬味を添えてみるのはいかがでしょうか。

アミノ酸

たんぱく質を構成する成分の最小単位がアミノ酸です。[5]
アミノ酸は傷ついた組織を修復したり、自律神経を整える物質などの材料になったりします。

アミノ酸は約20種類ありますが、そのうちの9種類はほぼ人間の体内では作ることができない必須アミノ酸と呼ばれています。

自律神経を整え、身体の機能がスムーズに働くためには必須アミノ酸が文字通り不可欠。
毎日の食事で、必須アミノ酸をバランス良く含む食品を摂ることが大切です。

  • 乳製品

自律神経を整えて疲労回復するためにも、上記のような食材を食事に取り入れてみましょう。

栄養素を組み合わせた飲み物で効果的に疲労回復!

飲み物でおいしく疲労回復疲労回復に役立つ栄養素について解説しました。

食品の持つ機能のひとつに感覚機能があります。
栄養素たっぷりのドリンクを楽しく味わいながら飲むことで、心が満足し精神的疲労の回復にも役立ちます。

この章では、筆者おすすめのおいしくて栄養たっぷりの疲労回復ドリンクを4つ紹介します。
疲労回復のために、栄養素をおいしく摂りましょう。

①定番のバナナミルクに黒ごまを加えて

バナナと牛乳をミキサーで混ぜると、定番のバナナミルクができます。
これだけでも栄養たっぷりなのですが、さらに黒ごまの粉末を追加してみてください。

  • バナナ(ビタミンB₆、トリプトファン)
  • 牛乳(トリプトファン)
  • ごま(セサミン、セサミノール)

必須アミノ酸の1つであるトリプトファンは、ビタミンB₆とともにセロトニンの材料になります。
セロトニンは精神を安定させたり、やる気を起こさせたりする神経伝達物質です。

黒ごまにはアンチエイジング作用が期待されるセサミンと、抗酸化作用をもつセサミノールが含まれています。

簡単なのに、疲労回復の栄養素がたっぷり入って、おいしいドリンクの出来上がりです。
ごまの香ばしい風味がバナナの甘さを、大人の味にアップさせてくれますよ。

②新しい味・新感覚の甘酒

近年、甘酒は栄養価が高いことで評価されています。
栄養価の高さから、飲む点滴として注目されている飲み物です。

  • 炭水化物、ビタミンB群が含まれエネルギーに変わりやすい
  • 必須アミノ酸が9種類すべて含まれている

このような特徴から夏バテや病気のあとの体力が低下した人にも人気のパワードリンクです。
甘酒にはアルコールを含むものと、ノンアルコールがあるので、お酒が苦手な方はご注意ください。

甘酒の味が苦手という方は、

  • フルーツと甘酒をミキサーで混ぜるフルーツ甘酒
  • 甘酒を炭酸水で割った炭酸甘酒 など

新感覚の甘酒を試してみるのはいかがでしょうか。

③豆乳スムージーで自律神経を整える

朝食としてスムージーを飲む方へのおすすめは、スムージーを豆乳ベースにすること。
野菜やフルーツのビタミンに、豆乳のイソフラボン、トリプトファン、ビタミンB₆がプラスされます。

朝食でトリプトファンを摂ると日中に浴びる光で、やる気物質・セロトニンへと変換されます
豆乳スムージーはいきいきとした1日の始まりにぴったりです!

④おいしくヘルシー!フルーツビネガー

「お酢は身体に良いと聞くけど、すっぱくて飲みにくい…」
そんな方におすすめなのが、フルーツビネガーです。

グレープフルーツ酢やブルーベリー酢などをスーパーでも見かけることも多くなってきました。
そのまま飲んでもいいですし、ジュースや炭酸などで割るのもおいしいですよ。

フルーツビネガーにはコレステロールを抑える酢酸のほか、抗酸化作用があるクエン酸、リンゴ酸などが含まれています。

すっきりさわやかな味わいで、疲れも飛んで行きそうですね。

疲労回復できる飲み物で元気チャージ!

飲み物で元気チャージして疲労回復今回の記事では以下のことについてお伝えしました。

  • 疲労回復に良い栄養素を積極的にとる
  • ビタミンはエネルギーを作り出すのを助ける
  • ポリフェノール、クエン酸は抗酸化作用で活性酸素を除去する
  • 必須アミノ酸をバランスよく摂って自律神経を整える
  • 栄養素を組み合わせておいしく飲むと疲労回復に効果的

あなたもお気に入りの飲み物で元気チャージして、おいしく楽しく疲労回復しましょう!

 

【参照】

[1]タケダ健康サイト

[2]公益社団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット ポリフェノールの種類と効果と摂取量

[3]共立食品 クエン酸の効果とは?

[4]農林水産省 香酸かんきつ(1)

[5]日本ニュートリション協会 サプリメントアドバイザー養成講座 ビタミン・ミネラル編

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