ヘルペスを繰り返すのは疲れのせい!?免疫力に大切な3つのこと

疲労回復

監修

オフィス薬局
薬剤師 笹森有起

編集

医療ライター
薬剤師 森本夏子

仕事や家事、育児でいそがしい毎日をすごしている現代人。
ある日ふと気が付くと、唇にポツンとできた水ぶくれ。

ヘルペスです。

疲れがたまるとヘルペスが出るタイプの人にとって、何度もくりかえすヘルペスは本当にやっかいな存在ですよね。

なぜ疲れがたまるとヘルペスの症状が出るのでしょうか。
また、ヘルペスの予防のために今日からできることは何でしょうか。

この記事では薬剤師である筆者が、疲れとヘルペスの関係について解説します。

 

疲れた時にでるヘルペス!原因はウイルス

ヘルペスの原因となるのはヘルペスウイルス。
ヘルペスウイルスには大きくわけて2つあります。

  • 水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)
  • 単純ヘルペスウイルス(HSV)

水痘・帯状疱疹ウイルスは、水ぼうそうと帯状疱疹の原因ウイルスです。

そして単純ヘルペスウイルスは、さらにⅠ型とⅡ型に分類されます。

  • Ⅰ型:主に口唇ヘルペスを引き起こすウイルス
  • Ⅱ型:主に性器ヘルペスを引き起こすウイルス

疲れで繰り返すヘルペス。どこから感染するのか

そもそもヘルペスウイルスはどこから感染するのでしょうか。
ヘルペスウイルスは次の3つの経路から感染すると考えられています。

  • 接触感染
    ヘルペスウイルスをもっている人の水ぶくれや唾液などに触る
  • 飛沫感染
    ヘルペスウイルスをもっている人のくしゃみや咳を吸い込む
  • 性行為による感染(性器ヘルペス)
    ヘルペスウイルスをもっている人と性行為をする

ヘルペスウイルスに初めて感染した時は、ヘルペスウイルスに対する免疫がないため、高い熱などの強い症状が出ることも。

またヘルペスウイルスは、気づかないうちに感染していることが多くあります。
20歳の時点で半分ほどの人が感染しているとも言われます。

いままで症状が出ていなくても、あなたもある日突然ポツンとヘルペスの症状が現れるかもしれません。

疲れた時にヘルペスが出やすい部位3か所

疲れた時に出るヘルペス。
出やすい場所は、人によって様々です。

症状が出る場所によって、ヘルペスウイルスの種類や呼び方が異なります。
この章では3つのヘルペスについて解説。

  • 口唇ヘルペス
  • 性器ヘルペス
  • 帯状疱疹

口唇ヘルペス

唇や、唇の周りに症状が出ます。

ぴりぴりとした痛みやかゆみを感じ、赤くはれたり、水ぶくれができます。
かさぶたができて自然に治りますが、塗り薬で治療することも可能です。

2回目以降の再発で、過去に医師から「口唇ヘルペス」と診断が下りていれば、ドラッグストアや薬局などで市販の塗り薬を購入できます。

一般的には「ヘルペス」というと、口唇ヘルペスをイメージする人が多いです。

性器ヘルペス

性器ヘルペスは男性・女性ともに性器やその周辺に症状が出るのが特徴

皮膚に小さな水ぶくれができたり、赤くただれることもあります。
痛みなどの症状がひどくなると、排尿や排便に影響がでるので注意が必要です。

20代などの若い世代だけでなく、シニア層でも悩む方が多いのが特徴的。
女性の場合、生理前はホルモンバランスの影響により免疫力が低下するため、性器ヘルペスを再発しやすくなります。

性器ヘルペスを発症した場合は、病院で処方される抗ウイルス薬での治療を行います。

帯状疱疹

こどもの頃に水ぼうそうにかかった人が、大人になって同じウイルスによって皮膚症状が出た場合、帯状疱疹と呼びます。

水ぼうそうは全身に赤いぶつぶつが出るのが特徴です。

一方、帯状疱疹は赤いぶつぶつが帯のようにぐるりと脇腹などに現れます
皮膚の症状が落ち着いても、長い間強い痛みが残ることがあります。

病院で処方される抗ウイルス薬のほか、痛み止めを飲むのがよくある治療法です。

なぜ疲れがたまるとヘルペスの症状がでるのか

なぜ疲れがたまるとヘルペスの症状がでるのでしょうか。

実はヘルペスウイルスに感染し、症状が落ち着いた後もヘルペスウイルスは体の中に残り続けているからです。

体調が良い時、ヘルペスウイルスは体内で静かにしています。
免疫がヘルペスウイルスを抑え込んでいるからです。

しかし体調を崩して免疫力が弱くなると、ヘルペスウイルスを抑え込むことができずに症状が出てきてしまいます。

疲れがたまるとヘルペスをくりかえすのは、免疫力の低下によるものだったのです。
つまり免疫力を高めることで、くりかえすヘルペスの症状から抜け出すことができます。

ヘルペスから解放!疲れ、免疫力に効果的な生活のコツとは

免疫力を高めるには一体どうしたら良いのでしょうか。

健康的な生活の3本の柱は食事・睡眠・運動と言われています。
食事・睡眠・運動の3つがバランス良く組み合わさることで高い免疫力を保つことができます。

さっそく見ていきましょう。

バランスのよい食事

以下の栄養素を、バランスよく摂ることが大切です。[1]

  1. 炭水化物(糖質)
  2. 脂質
  3. タンパク質
  4. ビタミン
  5. ミネラル
  6. 食物繊維

それぞれの栄養素は違った方法で、体の健康を保っています。

以下にそれぞれの栄養素の役割を簡単に示します。

炭水化物・脂質 体を動かすエネルギー源
たんぱく質 筋肉や皮膚などの身体を作る材料
ビタミン・ミネラル 身体の機能サポート
食物繊維 腸の働きを整える

またカロリーも重要です。
カロリーの取り過ぎは、肥満や生活習慣病につながりますが、身体を動かすのに必要なエネルギーはきちんと摂りましょう。

身体に必要なカロリーをとれないと体力が下がり、免疫力も下がってしまいます。

推定エネルギーの必要量は以下の計算式で表されます。

基礎代謝基準値(kcal/kg体重/日) × 参照体重(kg)

基礎代謝基準値は性別や年齢によって異なるので、きちんと計算することが重要です。[2]

無理なダイエットはせず必要な食事量をとりましょう。

普段の食事でビタミンや食物繊維などが不足しがちな人は、手軽に飲める栄養補助食品やサプリメントを上手に利用するのもいいですね。

バランスの良い食事をとることは免疫力アップにとても大切です。

しっかりとした睡眠

たっぷりの睡眠が健康に大切なことは広く知られています。
では、長く眠れば眠るほど免疫力を高めることができるのでしょうか。

2004年に発表された論文で、睡眠時間と風邪のひきやすさの関係について書かれています。[3]

4,000人以上を対象に行われたこの研究で、睡眠時間が6時間以下10時間以上の人たちは風邪をひきやすいという結果が出ました。

睡眠不足だけでなく、眠りすぎても免疫力を下げてしまいます。

睡眠時間は個人差が大きいので、自分にとって最適な睡眠時間を知ることが大切です。
長すぎず、短すぎず、自分に合った睡眠時間をとることで免疫力が高まり、ヘルペスに負けない体を作ることができます。

運動する習慣

食事や睡眠で免疫力が上がるのはわかるけれど、運動でも免疫力って上がるの?

このような疑問もありますよね。

2016年に発表された研究で、運動と免疫の関係について調べたものがありました。[4]

普段は特に運動をしていない人を2つのグループに分け、片方のグループにだけ1か月間トレーニングをしてもらいました。

1か月後に採血してみると、トレーニングをしていたグループのほうが、トレーニングをしなかったグループと比べて免疫で重要な働きをする白血球の数が多くなっていたとのことです。

運動する習慣をつけることは、免疫力をアップにつながります。

免疫アップすることでヘルペスの予防に有効です。

疲れた時に出るヘルペスには免疫力アップが効果的

ヘルペスウイルスは一度感染するとずっと体内に残り、疲れやストレスなどで免疫力が下がるたびに症状が現れます。

免疫力を高めるとヘルペスの症状は出にくくなるため、繰り返すヘルペスには有効。

ヘルペス予防のため、今日からできる3つの免疫力アップのポイントは以下です。

  1. バランスの良い食事をとる
  2. 自分に合った睡眠時間をとる
  3. 運動する習慣をつける

食事・睡眠・運動は基本的なことですが、とても大切です。
ぜひ食事・睡眠・運動のポイントを実際にやってみてください。

免疫力を高めて、ヘルペスに負けない体をつくりましょう!

 

 

【参照】

[1]日本医師会 3大栄養素

[2]日本医師会 推定エネルギー必要量

[2]矢島 すみ江ら, 名古屋工業大学紀要, 2004;55:151-7 

[3]金子 伊樹ら,日本体育学会大会予稿集, 2016; 67:150_1

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