編集
医療ライター
薬剤師 森本夏子
毎日の仕事や家事に疲れてベッドで眠り、朝起きると、こんなことはありませんか?
「顔がパンパンにむくんでいる!!」
「目の周りが腫れてる!」
慢性的な疲労は、瞼や頬など顔のむくみにつながります。
また、女性にとって顔のむくみはメイクのりが悪くなるという大きな困りごと。
疲労をためやすい生活は、血行や水の流れを悪くし、顔のむくみの原因となります。
血行や水分の流れを良くしてあげることで、むくみ顔の対策となりますよ。
むくみとりのコツを押さえた生活習慣は、むくみだけではなく疲労の解消にも効果的!
手軽にできるむくみケアを取り入れた生活を始めてみませんか?
この記事では現役薬剤師が以下についてお伝えしています。
- 疲労で顔にむくみが出る原因
- 顔がむくみやすい生活習慣チェック
- カンタンにできる!4つの疲労ケアで顔のむくみ対策
顔のむくみから解放されて、すっきりとした1日のスタートを始めましょう!
疲労がたまると顔にむくみが出る理由とは
むくみは医学的には「浮腫(ふしゅ・むくみ)」と呼ばれ、余分な水分が皮膚や皮膚の下にたまった状態を指します。
基本的にむくみは一時的なもので、大いに関係しているのが生活習慣です。
そもそも、なぜ顔のむくみが起こるのでしょうか。
水分の流れが滞るとむくみやすくなる
人間の体の60%は水分で出来ています。[1]
60%の水分のうち、体重比で見ると40%は細胞内に、20%は細胞外に存在。
細胞外液をさらに分けると、間質と呼ばれる細胞と細胞の隙間に15%、残りの5%が血液やリンパ液、脳脊髄液です。
血液と、細胞の隙間である間質の間で水分が行き来することで、細胞に栄養を送り老廃物を取り除くことができます。
水分の行き交うバランスが崩れて間質に水がたまった状態がむくみです。
一般的に足のむくみは、夕方に出やすくなります。
1日中立ったり座ったりしていると、重力で下半身に水がたまっていくからです。
一方で顔のむくみは起床時に出やすい傾向が。
これは横たわって眠っている間に、重力で顔に水がたまるためです。
また疲労で血流や水のめぐりが悪くなると、むくみ顔になることも。
最近増えてきているテレワークやデスクワークも顔のむくみの一因です。
目の疲れで顔のむくみが悪化
デスクワークで長時間パソコンを凝視すると、眼輪筋という目元の筋肉の疲労を引き起こします。
眼輪筋がこると、血液やリンパの流れが悪化し、目の周りに水分や老廃物が。
これがまぶたのむくみの原因です。
眼輪筋はスマートフォンの見過ぎでも疲れてしまいます。
翌朝のすっきりした目元のためには、眠る直前にはスマートフォンを触らないのがおすすめです。
また、むくみは食生活や運動習慣にも左右されます。
毎日の生活習慣を見直すことでむくみが出にくい体質を作りましょう。
顔のむくみにつながる!疲労がたまる習慣をチェック
疲れが取れないと、朝起きたときに顔のむくみが出やすくなります。
疲労がたまりやすい生活習慣について解説します。
チェックして自分の生活習慣を見直す指標にしましょう。
しっかりと睡眠が取れていない
毎日ちゃんと寝れていますか?
疲労回復にはしっかりとした睡眠が欠かせません。
睡眠不足は自律神経の乱れを招き、慢性的な疲労につながります。
質の高い眠りで疲れにくい体を作り、翌日のむくみを未然に防ぎましょう。
眠ってもなかなか疲れが取れないと感じる方はぜひこちらの記事を参考にしてくださいね。
自律神経と睡眠をつなぐ深い関係、眠りの質を高める5つの秘訣
塩分・アルコールの摂りすぎ
飲み会の翌日には顔がパンパンに腫れてしまう人も多いのではないでしょうか?
食事で塩分を摂りすぎると、むくみを引き起こしやすくなります。
体内の塩分濃度が高くなると、濃度を薄めるために水分をためこみ、むくみに直結するためです。
お酒を飲んで血液中のアルコール濃度が高まると血管が広がります。[2]
血管が広がると、血管とリンパや間質の間で水分の行き来のバランスが崩れやすくなります。
さらに、お酒を飲むときには濃い味付けのつまみを食べることが多く、塩分も摂りすぎる傾向に。
お酒はほどほどに控え、塩気の強い食べ物を食べすぎないように気をつけましょうね。
お風呂はシャワーだけで済ませる
疲れた時には、ついつい面倒くさくなって湯船に浸かる入浴を省いてシャワーで済ませがち。
しかしシャワーだけでは疲労が取り切れず、むくみを招いてしまいます。
疲労回復のためにも、ぜひ湯船に浸かってリラックスしましょう。
効果的に疲労回復するための入浴方法はこちらで解説しています。
今夜からはじめよう!疲労回復に効果的な3つの入浴方法のコツ
今日から実践!顔のむくみを解消する疲労ケア
むくみやすくなる生活習慣について見てきました。
この章では、顔のむくみ対策となる疲労ケアについてご紹介いたします。
今日からすぐに実践できる方法ばかりなので、ぜひ試してみてくださいね。
1.リンパを流して顔のむくみを改善
顔のマッサージでリンパの流れを良くして余計な水分の排出を促し、むくみを改善します。
- 鎖骨のリンパ節をゆさゆさと揺らしてほぐす。
- 顎下腺から鎖骨に向けて優しくリンパを流す。
- 頬、まぶた、額から耳下腺へリンパを流す。
- 再び顎下腺から鎖骨に向けてリンパを流す。
- 最後にもう一度鎖骨のリンパ節をほぐして終了。
セルフケアのコツは、力を入れすぎず優しくさすること。
クリームやオイルを利用すると肌への負担も和らげることができますよ。
2.顔のむくみ取りにはお風呂が最適
血行改善のためには、湯船に浸かり体を温めることが有効。
また、お湯の水圧はむくみの原因となっているたまった水分を押し流してくれます。
水の流れが良くなることで、翌朝に顔のむくみが起こりにくくなります。
シャワーで済まさず、ちゃんと湯船に浸かって疲労回復・顔のむくみ知らずに繋げましょう。
3.カリウムを摂ると水がたまりにくい体へ
塩分が多い食事をしてしまったときの対処法は、カリウムを多く含む食べ物を摂ることです。
カリウムは体内にたまったナトリウムを、外に排出するサポートをします。
厚生労働省が発表した「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、1日当たりのカリウム摂取の目標量を30代男性3,000mg、30代女性2,600mgとしています。[3]
カリウムを多く含む食品は以下のとおりです。
100gあたりのカリウム含有量 (mg) | |
とろろ昆布 | 4,800 |
ピスタチオ | 970 |
アボカド | 720 |
ほうれん草 | 490 |
バナナ | 360 |
ポイントを押さえた食事をすることで、むくみとりが期待できます。
ただし腎機能が悪化している方、腎機能の数値について検査で指摘されたことがある方は、カリウムの摂取に注意が必要なため医師にご相談ください。
4.顔のツボ押しでむくみもすっきり
東洋医学の力でむくみに対処するのはいかがでしょうか。
東洋医学では「気」「血」「水」の流れがスムーズな状態を健康と定義。
むくみは「水滞」と呼ばれ、「水」の流れが悪くなっていると考えられています。
ツボ押しをすることで「水」の流れを良くして、顔のむくみを解消しましょう。
顔のむくみが気になるときには翳風(えいふう)と呼ばれる耳たぶ裏のツボを刺激。
その後、頬から耳下腺へ、顎下腺から鎖骨へとリンパを流しましょう。
ツボを押すときは力を入れすぎず、気持ちいいと感じるくらいで刺激するのがおすすめですよ。
疲労を解消して顔のむくみにさようなら!
今回の記事でお伝えしたのは、次のとおりです。
- 慢性的な疲労は顔がむくむ原因に
- アルコールや塩分を摂りすぎないように気を付ける
- 疲れケアで血行や水の流れを良くしてむくみとり
- 野菜や果物を摂って水がたまりにくい体をつくる
- ツボ押しやリンパマッサージで滞った水を流す
ぜひカンタンにできる疲労ケアを試して、顔のむくみに悩まない毎日を送りましょう!
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