納得!「バランスよい食事」と「疲労回復」の関係

meal-balance-recovering 生活習慣

監修

+kampo
薬剤師 笹森有起

編集

医療ライター
薬剤師 森本夏子

「疲労回復のためには、食事のバランスが大切だよね?」
「でもバランスよい食事って何?」
という疑問はありませんか。

「バランスよい食事」と言っても、漠然としていてわかりにくいですよね。

この記事では以下の内容を解説。

  • 疲労回復のための栄養素
  • バランスよい食事とは何か

ドラッグストアで、管理栄養士と一緒に接客してきた薬剤師である筆者が説明します。
疲労回復と食事の関係について、疑問を解消しましょう。

考えられる疲労の原因は?

疲労の原因は様々で、ストレスや環境要因などが考えられています。
肉体疲労の主な原因は、体を動かすためのエネルギー不足です。[1]

  • ハードワークでエネルギー消費が激しい
  • 栄養バランスが崩れエネルギー産生ができない

バランスよく栄養素を補給することが、疲労回復のポイントとなります。

疲労の原因について詳しく知りたい方は、以下の記事を参照してください。
そもそも疲労ってなに?疲労の種類と原因を解説

身体はどうやってエネルギーを産生しているのか

エネルギー源として使われるのは、下に挙げた3大栄養素で、現在は「エネルギー産生栄養素」とも呼ばれています。[2]

  1. 糖質
  2. 脂質
  3. タンパク質

エネルギー産生栄養素は、互いに変換され利用することで、エネルギーを作り出します。
また、エネルギー産生栄養素からエネルギーを作り出す時に、ビタミンやミネラルが必要です。[3]

栄養バランスが崩れるとエネルギー産生が出来ない

エネルギー産生栄養素に、ビタミンとミネラルを加えたものを5大栄養素と呼びます

  1. 糖質
  2. 脂質
  3. タンパク質
  4. ビタミン
  5. ミネラル

エネルギー産生栄養素は互いに変換されますが、ビタミンやミネラルが不足すると、エネルギーがうまく作れません。

エネルギーを作れないと、疲労を感じやすくなってしまうのです。[3]

疲労回復のための食事とは?

疲労回復のためには、5大栄養素をバランスよく摂ることがとても重要になります。
5大栄養素をバランスよく摂ることで、効率よくエネルギーを産生できるからです。

それでは、5大栄養素のはたらきを見ていきましょう。

糖質のはたらき

糖質は最もエネルギー源として使われやすい、重要な栄養素の一つです。

クエン酸回路を経て、糖質は1gあたり4kcalのエネルギーになります

クエン酸回路とは、エネルギー産生栄養素から生成されるアセチルCoAなどの物質を分解し、エネルギーを生み出す回路のことです。

細胞のミトコンドリア内になるマトリックスという場所で行われ、大切なエネルギー供給源となっています。

糖質は血液中に血糖として存在しますが、いざという時のために、グリコーゲンとして肝臓と筋肉に貯蔵されているのもポイントです。

さらに過剰に摂った糖質は、脂肪組織で中性脂肪に変換され貯蔵されます。[4][5]

脂質のはたらき

脂質は、糖質の2倍以上である、1gあたり9kcalのエネルギーを産生します
ビタミンB1を消費せずに、エネルギーを産生することが可能です。

エネルギー産生以外に、細胞膜やホルモンなどの原料として使用されます。[4][5]

タンパク質のはたらき

タンパク質はアミノ酸を経て、1gあたり4kcalのエネルギーになります。
タンパク質は、たくさんのアミノ酸がつながった化合物です。

エネルギー産生以外に、インスリンや成長ホルモンなどのペプチド性ホルモンなどの原料、免疫などにも関与しています。

またタンパク質は、筋肉や皮膚、毛髪、爪などの構成成分でもあり、欠かせない栄養素です。[4][5]

ビタミンのはたらき

エネルギー代謝に関係する、主なビタミンの働きは下の表になります。[4]

ビタミンB1 糖質をエネルギーに変える
ビタミンB2 脂質をエネルギーに変える
ビタミンB6 タンパク質から作られるアミノ酸を、エネルギーに変える
ビタミンB12 タンパク質や脂質をエネルギーに変える

ビタミンはエネルギーを作るのに必要な栄養素であることが分かります。

ビタミンについて詳しく知りたい方は、こちらを参考にしてくださいね。
疲労回復に必要なビタミンの働きを薬剤師が解説

ミネラルのはたらき

ミネラルの働きを表にまとめました。[4]

骨や歯などの原料 カルシウム、リン、マグネシウム
細胞膜や赤血球の原料 リン、鉄
体液のpH維持 カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、リン
筋肉の収縮、神経の興奮性調節 カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム
体内酵素の活性化 マグネシウム、鉄、銅、亜鉛、セレン、マンガン
ホルモンなどの原料 鉄、ヨウ素、亜鉛、モリブデン

それぞれのミネラルが連携し、体の機能を維持しています。

5大栄養素を摂るための食事とは?

5大栄養素を摂るためには、「バランスのよい食事」が大切です。
でも「バランスのよい食事」と言っても、何を、どのぐらい食べたらいいのか、わかりませんよね?

ここでは、バランスの良い食事の摂り方や疲労回復につながるポイントを紹介します。

食事バランスガイドで健康的な食事を摂ろう

2005年に厚生労働省と農林水産省は共同で「食事バランスガイド」を策定しました[6]

コマの形をした下の図を見てみましょう。

 

食事バランスガイド

引用:農林水産省 食事バランスガイドについて

コマが回るにはバランスが大切です。

食事のバランスが悪くなると、コマが倒れてしまうのがイメージできますよね。
コマの軸は水・お茶となっており、水分補給が欠かせません。

さらに、運動によりコマを回転させています。

運動によってバランスを確保することを表しています
食事と運動の両方が必要であると一目でわかりますね。

お菓子や嗜好飲料はコマの紐として表現され、「楽しく適度に」とコメントが添えられています。

コマ本体には1日に食べると良い食べ物が、多く摂る順番で上から並んでいます。

5~7つ 主食 ごはん、パン、麺
5~6つ 副菜 野菜、きのこ、いも、海藻料理
3~5つ 主菜 肉、魚、卵、大豆料理
2つ 牛乳・乳製品 牛乳、チーズ、ヨーグルト
2つ 果物 みかん、りんご、桃、ぶどう

上記の品目を1日3食に分けて食べることで、バランスが取れるという仕組みです。
図の料理例を参考に、主食を考えてみると

  • 朝食:ごはん中盛り1杯(1.5に相当)
  • 昼食:うどん1杯(2に相当)
  • 夕食:スパゲティ1皿(2に相当)

1日3食の合計で5.5となりますので、主食5~7つの基準を満たします。
同じように副菜、主菜なども、料理例に書かれているので参考してみましょう。

バランスのよい食事は、自律神経を整えるためにも大切です。
自律神経にを整えることについて以下の記事で紹介しています。

>>自律神経を整えて「健やかな自分」になれるライフスタイル

疲労回復につながるポイント

他にも疲労回復のための方法を紹介します。

  • 抗酸化物質の食材を摂る
  • 薬膳を取り入れる
  • 漢方薬を試してみる

あくまでも、5大栄養素を摂ることが前提となりますが、上記を取り入れてみるのもおすすめです。

「5大栄養素」を摂れているかチェックしてみましょう!

この記事では以下の5点を中心に解説しました。

  • 肉体疲労の主な原因はエネルギー不足
  • エネルギー産生栄養素とは糖質・脂質・タンパク質
  • 5大栄養素を摂らないとエネルギーが作れない
  • 5大栄養素のはたらき
  • 5大栄養素を摂るには「食事バランスガイド」を参考に

疲労回復のためには、5大栄養素をバランスよく摂ることが全ての基礎になります。
「食事バランスガイド」を見ながら、自分の食事を確認することから始めてみましょう。

 

 

【参照】

[1] 健康情報 > 上手な心とからだの休め方 > 疲労回復のコツ,公益財団法人世田谷区保健センター

[2]e-ヘルスネット > 健康用語辞典 > 栄養・食生活 > エネルギー産生栄養素,厚生労働省

[3]e-ヘルスネット > 身体活動・運動 > エネルギー代謝の仕組み > 有酸素性エネルギー代謝,厚生労働省

[4]特定保健指導の実践定期指導実施者育成プログラム,厚生労働省

[5]【資料2】(別紙)20130402三大栄養素の流れ,厚生労働省

[6]e-ヘルスネット > 栄養・食生活 > 賢く食べるためのコツ > 食事バランスガイド(基本編)厚生労働省

 

タイトルとURLをコピーしました