今夜からできる!疲労回復に効果的な入浴方法のコツ

疲労回復に効果的な入浴方法のコツ 生活習慣

監修

+kampo
薬剤師 笹森有起

編集

医療ライター
薬剤師 森本夏子

忙しかった1日の仕事を終えてやっと帰宅。
疲れてお風呂に入る気力もないから、今夜はベッドへ直行したい…。

でも、ちょっと待ってください!
たまってしまった疲労を回復させるには、湯船につかる入浴が断然おすすめです。

せっかくお風呂に入るなら、効率よく疲労回復したいですよね。
そこで今回は、現役薬剤師であり、週末は近県の温泉巡りを趣味とする筆者が、自宅のお風呂で効果的に入浴する3つのコツをお伝えします。

 

入浴で疲労回復の前に!疲労ってなに?

疲労ってなに?入浴は疲労回復に効果的と言われています。
そもそも「疲労」とは何なのでしょうか。

「疲れやすい」「やる気がでない」など、ほかの人には伝わりにくいことですよね。
しかし、疲労を科学的に測る方法はいくつかあります。

疲労を科学的に測る方法の1つが、心電図で心拍数を測る方法。
心拍数を測ることで自律神経の乱れ、つまり「疲労」を測ることができるのです。[1]

疲労の原因は自律神経の乱れ

自律神経は大きく分けてふたつあります。

  • 交感神経
  • 副交感神経

交感神経は活動する時にはたらく、アクセルのようなもの。
また、交感神経はストレスを感じた時にもはたらきが強まります。
副交感神経はリラックスするときにはたらく、ブレーキのようなものです。

この2つの自律神経がバランスよくはたらくことで、人間はスムーズに活動することができます。
しかし疲れがたまると自律神経のバランスを崩してしまうことに。
すると、さらに疲労を感じたり、うまく疲労回復できなくなるという悪循環におちいります。

疲労がたまりやすい人 たまりにくい人

同じ仕事をしたときに疲れやすいグループと、疲れにくいグループの違いを調べた研究があります。[2]

疲れを感じやすいグループのほうが、交感神経のはたらきが強まる傾向となりました。
疲れがたまった状態の勤務で緊張感が増して、交感神経が過剰にはたらいてしまったためです。

交感神経のはたらきが強くなりすぎて、自律神経のバランスを崩してしまう人のほうが疲労がたまりやすいと言えます。

疲労がたまるとどんな症状がでるのか?

産業衛生学会の「自覚症しらべ」では疲労の症状は、次の5つに分けられます。[3]

  1. ねむけ
  2. 不安定感
  3. 不快感
  4. だるさ
  5. ぼやけ感

疲労の症状が現れたら放っておかず、早めに自律神経を整えることが大切です。

疲労回復にはやっぱり入浴が効果的!

疲労回復には入浴が効果的!自律神経を整える効果的な方法が入浴です。

疲労で血行が悪くなると、全身に血を巡らせるために交感神経がたくさんはたらかなければなりません。
入浴は血流を良くし、交感神経を休めることができるので、疲労回復に有効です。
シャワーだけではしっかりと体が温まらないので、ぜひ湯船につかりましょう。

昔から疲労回復の強い味方だった温泉

昔から「温泉に入ると疲れがとれる」と言われていますが、科学的にも証明されています。[4]

運動したあと炭酸泉に入ると、淡水に入ったときに比べて筋肉の疲労が改善。
また、炭酸泉に入った時のほうが、交感神経のはたらきが抑えられていました。

炭酸の作用で血流がよくなり、自律神経のバランスが整ったためです。

科学的な理由が分かっていない昔から、温泉に疲労回復の効果があると日本人は知っていたのです。

温泉は自然治癒力を高めることも可能。
詳しい自然治癒力と自律神経の詳しい内容はこちらの記事を参照してください。

自然治癒力を高めて自律神経を整えよう!

おうちでカンタン!疲労回復に役立つ入浴のコツ

おうちでカンタン!疲労回復バスタイム温泉が疲労回復に良いことは分かりました。
しかし温泉地に住む人でもない限り、毎日温泉に入るわけにはいきません。

そこでおうちのお風呂でもできる疲労回復のポイントをまとめてみました。

疲労回復には体温を1.1℃上げるのが有効

入浴後の体温と疲労回復について調べた研究があります。[5]

入浴後の体温を1.1℃上げると、疲労回復にもっとも効果的だと分かりました。
一方で、体温が1.6℃上がると息苦しさなどの不快さを感じる結果に。
わずかな違いですが、0.5℃という差は重要です。

体温を1.1℃上げるお湯の温度は性別、年齢などによって変わってきます。
同じ温度のお湯に入浴しても、女性は体温が上がりにくい結果となりました。
一般的には女性の方が皮下脂肪が多く、お湯の熱が体に伝わりにくいからです。

また、高齢者は皮膚のセンサーが鈍くなっているため体温が上がりにくくなります。
高齢者で熱いお風呂を好む人が多いのは、若い頃に比べて体温が上がりにくくなったためです。

個人差はありますが、少しぬるめ(38℃~40℃)で気持ちいいと感じる湯温が、効果的に自律神経を整えてくれます。

疲労回復に効果的な入浴時間は男女で違う

2016年に総務省が行った統計調査では、平均入浴時間は男性で34分、女性で42分。[6]
この時間は湯船につかるだけではく、体を洗ったりする時間も含めたものです。
では実際には、何分くらいお湯につかるのがいいのでしょうか。

体温を1.1℃上げると疲労回復に効果的です。
しかし短時間で急激に体温を上げるのは、心臓や血管に負担をかけてしまいます。

40℃のお湯につかった場合に体温を1.1℃上げるのにかかる平均時間は、男性で13.6分、女性では16.4分でした。[5]

湯船につかるのが短すぎると、体温がしっかりと上がりきらず、疲労回復の効果が弱くなる可能性があります。
少なくとも13~16分はゆっくりとお湯で体を温めることが、疲労回復のポイントです。

入浴剤を使って楽しく疲労回復!

忙しい現代人は、なかなかゆっくりとお湯につかることもできません。
短時間の入浴でも効果的にリラックスできる便利グッズが、入浴剤です。

入浴剤はいろいろな種類があるので、お店でお気に入りの入浴剤を選ぶのも楽しいですよね。

入浴剤は4つのカテゴリーに分けられます。[7]

炭酸ガス系 血行促進効果
無機塩類系(バスソルトなど) 保温効果
スキンケア系 皮膚の保湿作用
清涼系 爽快感

ほかにも色や香り、とろみなど様々な特徴をもつ入浴剤。
入浴剤の使用はリラックス感、リフレッシュ感をもたらしてくれます。
さらに疲労をやわらげ、質の良い睡眠へ誘うという嬉しいメリットも。

ニーズにあった入浴剤を選ぶことで、よりリラックスできるバスタイムを楽しめます!

効果的な入浴方法で、今夜から気持ちよく疲労回復

今夜から気持ちよく疲労回復疲労回復に効果的な3つの入浴のコツは、以下になります。

  • 入浴後の体温が1.1℃ほど上がる、心地よいお湯の温度
  • 少なくとも13~16分は湯船につかる
  • 自分のニーズにあった入浴剤を利用

入浴は日本人が昔からおこなってきた、最高の疲労回復法の1つです。
ぜひ今回お伝えしたコツを取り入れて、効果的な疲労回復を試してみてください!

 

 

【参照】

[1]国民的課題として取り組む疲労研究: 客観的疲労の評価法:倉恒弘彦ら: 日本臨床検査学教育学会機関誌,vol.10,No.1 p.1-8, 2018

[2]心拍変動時系列による24時間勤務時の主観的疲労感について:内藤祐子ら:THE ANNUAL REPORTS OF HEALTH, PHYSICAL EDUCATION AND SPORT SCIENCE VOL.35, 85-87, 2016

[3]産業衛生学会 産業疲労研究会

[4]炭酸泉の筋疲労回復効果の検討~筋電図周波数解析と自律神経活動評価から~:原采花ら:第 52 回日本理学療法学術大会(千葉)(国際展示場 展示ホール 8-5)【ポスター(基礎)P13】

[5]ストレス解消入浴法は体温を1.1℃上げる:石澤太市ら:日本健康開発雑誌 第39号 2018年 p.6-14

[6]総務省 社会生活基本調査 平成28年社会生活基本調査 調査票Bに基づく結果 詳細行動分類による生活時間に関する結果 生活時間編

[7]入浴剤の現状と展望:渡邊 智ら:日本生気象学会雑誌56巻4号:p.121-131,2020

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