心を整えたい3つのシーンでおすすめの即効性のある漢方を紹介

心を整えたい3つのシーン 即効性のある漢方を紹介 漢方(kampo)

監修

+kampo
薬剤師 笹森有起

編集

医療ライター
薬剤師 森本夏子

「ちょっとしたことで、つい怒ってしまう」
「最近、なんだか気持ちが晴れない」
「営業先へのプレゼンで緊張して、実力を出し切れない」

毎日の暮らしの中で、心が落ち着かずさまざまな不調を抱えてはいませんか?
いくつもの重なった症状を和らげるには、体質を改善できる漢方がおすすめです。

一般的に、漢方は効果が出るまで時間がかかると思われがちですが、種類によっては早く効き目が出るものも。

今回の記事では、心を整えたい3つのシーンにおすすめの即効性のある漢方をご紹介します。

  • すぐにイライラしてしまう方には抑肝散(ヨクカンサン)
  • 心が落ち込んでしまう方には香蘇散(コウソサン)
  • 人前で緊張してしまう方には柴胡加竜骨牡蛎湯(サイコカリュコツボレイトウ)

あなたの心の悩みにあった漢方を見つけて、穏やかな生活を手に入れましょう。

1.つい怒りっぽくなってしまう方には抑肝散がおすすめ

感情のコントロールが難しい方におすすめなのが抑肝散(ヨクカンサン)です。
抑肝散はイライラ感をはじめ、不眠や頭痛などを改善する効果も。

この章では、多くのケースで処方されている抑肝散について解説します。

もしかして「疳(かん)」が高ぶっているかも?症状をチェックしてみよう

抑肝散の「肝」という文字は「疳の虫(かんのむし)」の「疳」と同じ意味です。

「疳の虫」とは子どもが激しく泣いたり、かんしゃくを起こしたりすることの俗称。
抑肝散は「疳」の高ぶりを抑える漢方として名づけられました。

もし次の症状に心当たりがあれば、あなたも「疳」が高ぶっている可能性があります。

  • 怒りっぽい
  • イライラする
  • 歯ぎしり
  • 眠れない
  • 我慢ができない
  • 頭痛 など

高ぶった「疳」を抑えることで、上に挙げた症状を全体的に緩和できます。

抑肝散に含まれる7つの生薬の力

抑肝散には次の7つの生薬が含まれています。[1]

当帰(トウキ) 血の巡りをよくする
釣藤鈎(チョウトウコウ) 興奮を静める
川芎(センキュウ) 血の巡りを良くする
蒼朮(ソウジュツ) 胃を健やかにし、腸を整える
茯苓(ブクリョウ) 胃を健やかにし、腸を整える
柴胡(サイコ) 自律神経のバランスを整える
甘草(カンゾウ) 胃を健やかにし、腸を整える

上の7つの生薬に陳皮(チンピ)、半夏(ハンゲ)を加えたものが抑肝散加陳皮半夏(ヨクカンサンカチンピハンゲ)です。

抑肝散加陳皮半夏は抑肝散とほぼ同じ効果がありますが、陳皮と半夏を加えることで胃腸が弱い方向きの漢方となります。

しっかりした効果を得るためには、自分の体質に合った漢方を選びましょう。

抑肝散は赤ちゃんからお年寄りまでのイライラに効果的

抑肝散の効能効果は次の通りです。[2]

虚弱な体質で神経がたかぶる人の次の症状
  • 神経症
  • 不眠症
  • 小児夜泣き
  • 小児疳症

参照元:ツムラ抑肝散エキス顆粒添付文書

抑肝散は、もともと子どもの夜泣きや疳の虫へのお薬です。
子ども本人に服用させるほか、一緒にいるお母さんも服用するとより効果的であったことから母子で同じ薬を飲む「母子同服」が勧められました。

大人にも有効と分かったため、現在では大人のイライラや不眠、不安症状によく処方されています。
また、BPSDと呼ばれる認知症の精神的興奮にも効果があると判明。[3]

抑肝散は赤ちゃんからお年寄りまで、幅広い年代に使われています。
年齢を問わず、抑肝散は「疳」の高ぶりを感じる方におすすめの漢方です。

2.なんとなく気分が塞ぐ方には香蘇散が有効

憂うつな気持ちが続く場合、香蘇散(コウソサン)を試してみるのはいかがでしょうか。

香蘇散は体力のない人が風邪の引きはじめに飲むお薬ですが、「心の風邪」とも呼ばれる軽いうつ症状にも使用されます。

実は身近な生薬からできている香蘇散について見てみましょう。

うつ病の発症者は年々増えている

うつ病の発症者は年々増え、平成29年におけるうつ病の受診者数は127万にのぼりました。[4]
現代のストレス社会や、いままで受診していなかった人が病院で診断されるようになったことが理由とされています。

うつ病の初期症状についてはこちらの記事で紹介しています。
うつ病のサインを見逃さないためのポイントを解説

軽いうつ症状の場合は香蘇散などの漢方でセルフケアするのも有効です。
ただし、生活に支障がでるほどの憂うつな気分は、うつ病の可能性があるので専門医を受診しましょう。

心をおだやかにする香りの漢方・香蘇散

香蘇散は香附子(コウブシ)と蘇葉(ソヨウ)を主成分としています。[5]

香附子(コウブシ) 気を巡らせ機能を正す
蘇葉(ソヨウ) 気を巡らせ機能を正す
陳皮(チンピ) 気を巡らせる
甘草(カンゾウ) バランスを整える
生姜(ショウキョウ) 気を巡らせる

蘇葉=シソの葉や、陳皮=ミカンの皮など親しみのある生薬が入っています。
香蘇散は香りの良い5つの生薬で構成された、香り高い漢方です。

落ち込んだ気持ちを香蘇散はケア

香蘇散の効能効果は次の通りです。[6]

胃腸虚弱で神経質な人の次の症状
  • 風邪の初期

参照元:ツムラ香蘇散添付文書

東洋医学では「気・血・水」の流れが滞ると体に悪影響が出ると考えられています。
中でも、「気」は自律神経の働きに近いと考えられています。

香蘇散は気の流れを良くすることで、うつ症状や体のだるさなどを改善します。

気持ちがすっきりしない時のセルフケアについては、こちらの記事を参考にしてくださいね。
気が乗らない時に試したい!モヤモヤを解消させる対処法7選

一般的に漢方は香りを嗅ぎながら服用すると、より効果的であると言われています。
香蘇散のすっきりとした香りで、よどんだ気持ちをケアしましょう。

3.あがり症の方は柴胡加竜骨牡蛎湯を試してみて

人前に出ると心臓がドキドキし、手足や声が震えてしまうとお悩みではないですか?

柴胡加竜骨牡蠣湯(サイコカリュウコツボレイトウ)は、あがり症の改善に効果的。
実力をしっかり出し切るためにも、ぜひチェックしておきたい漢方です。

なぜ人前に出ると手足が震えるのか?

あがり症は一般的な呼び方で、医学的には「社交不安障害(SAD)」の中の「パフォーマンス限局型 社交不安症」に分類されます。[7]

人前に出て極度に緊張すると、交感神経が過剰に興奮し、神経伝達物質であるノルアドレナリンの分泌が増加。
ノルアドレナリンの作用によって、手足の震えや動悸(どうき)などさまざまな症状が現れます。

あがり症の症状を和らげるためには、自律神経を落ち着かせることが大切です。
柴胡加竜骨牡蠣湯は、10種類の生薬の組み合わせで自律神経を整えます。

柴胡加竜骨牡蛎湯を選ぶときのポイント

柴胡加竜骨牡蠣湯には、次の生薬が配合されています。[8]

効果と一緒にみていきましょう。

柴胡(サイコ) 肝を整える
半夏(ハンゲ) 胃腸の動きをよくする
桂皮(ケイヒ) 気を巡らせ温める
茯苓(ブクリョウ) 神経を落ち着かせる
黄芩(オウゴン) 肝を整える
大棗(タイソウ) 気を補い胃腸の働きを助ける
人参(ニンジン) 気を補い胃腸の働きを助ける
牡蛎(ボレイ) 神経を落ち着かせる
竜骨(リュウコツ) 神経を落ち着かせる
生姜(ショウキョウ) 胃腸の動きをよくする

名前の通り、竜骨=哺乳類の骨の化石や、牡蛎=カキの殻という動物性生薬が含まれているのが特徴です。

製薬会社によっては上の10種類の生薬に加えて、大黄(ダイオウ)を含むものもあります。
例えば、クラシエさんには大黄が含まれますが、ツムラさんには大黄が含まれていません。

大黄は便通をよくする作用があるので、自分の体質や症状に合わせて製品を選ぶと良いですよ。

柴胡加竜骨牡蛎湯で緊張を和らげる

柴胡加竜骨牡蠣湯の効能効果は次の通りです。[9]

比較的体力がある人の次の症状
  • 神経性心悸亢進症
  • 神経衰弱症
  • ヒステリー
  • 高血圧に伴う不眠

参照:ツムラ柴胡加竜骨牡蛎湯添付文書

あがり症の人は、また人前に出た時に失敗するのではないかと、想像するだけで不安になってしまいます。
あがり症を克服するには、この悪循環から抜け出すことが大切です。

普段の生活で自律神経を整える方法についてはこちらの記事で解説しています。
自律神経を整えて「健やかな自分」になれるライフスタイル

柴胡加竜骨牡蠣湯には気の巡りを良くし、気持ちを落ち着かせる生薬が含まれています。
プレゼンや発表の際にあがってしまうという方は、柴胡加竜骨牡蠣湯を試してみてはいかがでしょうか。

即効性のある漢方をチョイスして心を整えよう

今回の記事では心を整えたい3つのシーンにぴったりの即効性のある漢方をご紹介しました。

  • ついイライラしてしまう方には抑肝散がおすすめ
  • 気持ちが塞いでしまう方には香蘇散が有効
  • あがり症の方には柴胡加竜骨牡蛎湯が効果的

複数の不調に悩んでいる場合には、体質改善できる漢方がぴったりです。
毎日の習慣に自分に合った漢方をプラスして、いきいきとした毎日を楽しみませんか?

+kampoでは自然由来の生薬からできた漢方を取り扱っています。

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どの漢方が自分に合うのかを、症状から薬剤師がアドバイスすることも可能です。

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【参照】

[1]漢方のツムラ 抑肝散

[2]独立行政法人医薬品医療機器総合機構 ツムラ抑肝散エキス顆粒

[3]岡原 一徳 Dementia Japan 26 : 196-205, 2012

[4]厚生労働省 患者調査 平成29年 患者調査の概況

[5]漢方のツムラ 香蘇散

[6]独立行政法人医薬品医療機器総合機構 ツムラ香蘇散エキス顆粒

[7]一般社団法人あがり症克服協会

[8]漢方のツムラ 柴胡加竜骨牡蠣湯

[9]独立行政法人医薬品医療機器総合機構 ツムラ柴胡加竜骨牡蛎湯エキス顆粒

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