手足や下半身の冷えが辛い!今日から実践できる5つの改善方法

冷え性の改善方法冷え

記事監修

+kampo(プラス漢方) 笹森有起
オフィス薬局 管理薬剤師

いつも手足が冷たい
下半身が冷えて立ち作業が辛い
布団に入っても足が冷たくてなかなか眠れない

そんな「冷え」の症状に悩んでいる女性は多いのではないでしょうか。

この記事では、女性が冷え性になりやすい理由と、冷え性によって起こる体の不調、そしてつらい冷え性を改善するためにおすすめの5つの方法をご紹介します。

女性のほうが男性よりも冷え性になりやすい?

冷え性の改善

男性よりも女性の方が冷え性になりやすい傾向にあります。その理由は何でしょうか?

1つ目の理由は女性ホルモンの乱れです。

女性は毎月の月経周期や更年期によって女性ホルモンの分泌が乱れます。血液循環にも影響を起こし、結構不良が起きると冷えやすい体になりやすいのです。

2つ目の理由は一般的に女性のほうが男性に比べ筋肉量が少ないことです。

筋肉量が少ないと体が熱を作り出しにくくなり、また熱を蓄えておく場所が少なくなるために体温が下がり、全身が冷える傾向になります。これは女性だけでなく、運動不足で筋肉量が少ない場合は男性でも冷え性に悩まされます。

3つ目の理由は低血圧や貧血気味の方です。

低血圧や貧血気味だと、血の巡りが悪くなるため、体に酸素や栄養や熱が行き渡らず、冷え性になりやすくなります。

冷え性が引き起こす不調

冷え性の改善

手足の末端の冷えは温めてもなかなか温かくならず、ゾクゾクするような寒気を感じたり、寝付きが悪くなったりします。冷え性が原因で、さまざまな不調に悩まされる女性も多いのではないでしょうか。

冷えは頭痛や肩こり、疲れ、倦怠感などの、日常生活に支障をきたすような症状の原因にもなります。さらに頻尿や便秘、下痢も引き起こす場合があります。

不調を起こさない、悪化させないために、その根本にある冷え症を改善することが大切です。

今日から試してみよう!冷え性の改善方法

冷え性の改善

つらい冷え性を和らげるために、今日からすぐに出来る改善方法を5つご紹介します。

体を温める食材を積極的にとる

体を温める食材をとることは、身体の内側から体を温める一つの方法です。体温を高める即効性のある食材は、生姜、唐辛子、そしてココアなどがあります。

生姜

生姜には「ショウガオール」という成分が含まれ、身体を温めます。

生姜は料理に使ったり、生姜湯にして飲むのもおすすめです。生姜をすりおろしてお湯に混ぜ、蜂蜜を少し混ぜると飲みやすくなります。
ショウガオールは加熱することでより身体を温める効果が高くなるため、温かい状態でとると効果的です。

唐辛子

唐辛子に含まれる「カプサイシン」という成分も、体温を高めるのに効果的です。

料理がスパイシーになり、少量でも体がポカポカしてきます。キムチやペペロンチーノのパスタなどが気軽に食べやすくておすすめです。

ただ、唐辛子は刺激物なので多量の摂取は控えた方が良いでしょう。

ココア

ココアには「カカオポリフェノール」という成分が含まれ、血流を良くして体を温める働きがあります。

ココアには多くの効果が認められています。

  • 血管を広げる
  • 抗酸化力で酸化を抑える
  • 「活性酸素」が引き起こす肌トラブルの抑制やアレルギーの改善
  • 認知機能を高められる可能性がある
  • 便秘の改善

適量のチョコレートや、冬は温かいココア(ホットチョコレート)を飲むと、甘さや温かさに気分もリラックスできるのでおすすめです。

ただ、チョコレートは糖分や油脂も含まれるため、カカオの効果を感じるためにはカカオ含有量が70%以上のいわゆる”ハイカカオチョコレート”を選ぶようにし、摂りすぎには注意しましょう。

湯船につかって身体の芯まで温める

お風呂につかる女性冷えの改善には、シャワーで済ませるのではなく、血行を良くするため湯船にしっかりつかって身体の芯まで温めましょう。

38〜40℃くらいのぬるめのお湯に15~20分程ゆったりとつかることで、リラックス効果にも。エプソムソルト(硫酸マグネシウム)や炭酸ガス系の入浴剤を使うと温浴効果が高まっておすすめです。

お風呂上がりは足のマッサージをしたり、体が温かいうちにベッドに入って体が冷えないようにしましょう。

冷えやすい箇所を常に温かくする

冷え性の中でも多いのが、手や足先などの先端が冷える人。

手袋をしたり、カイロを活用していつでも温められる工夫を。足先は厚手の靴下を選ぶようにし、足首を冷やさないようにしましょう。

下半身の冷えには保温効果のあるタイツや下着を履くのも良いでしょう。お腹や腰にカイロを貼って温めるのも効果的です。

適度の運動で筋肉量を増やす

筋肉は、体内で熱を作り出すという重要な役割をもっています。冷えに困っている女性は、筋肉量を増やすために適度な運動を取り入れましょう。

激しい運動でなくても、ウォーキングや軽いランニングを2〜30分してみたり、筋肉の大きい下半身を鍛えるためにスクワットをしたり、自転車を漕いだりするだけでも十分です。

他にも通勤や通学時に、目的地のひと駅前で降りて歩いていくなど、日頃の生活を少し工夫して、運動量を増やすよう心がけましょう。

体温を高める効果のある漢方薬:当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

冷え性の改善には、血流を良くして体温を高める効果のある生薬を配合した漢方薬も効果的です。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)は、血行をよくして身体を温め、貧血症状を改善します。

冷え性、生理痛、更年期障害などの症状にお悩みの方におすすめの漢方薬です。ホルモンバランスを整える効果もあり、色白で冷え症、やせ型であまり体力のない人に適しています。

【当帰芍薬散の配合生薬】

当帰(トウキ)、川芎(センキュウ)、芍薬(シャクヤク)、茯苓(ブクリョウ)、蒼朮(ソウジュツ)、沢瀉(タクシャ)

漢方薬による体質改善は、飲めばすぐ症状が緩和されるものではありません。長年の生活習慣や蓄積された体質を変えていくため、少なくとも3ヶ月、理想的には半年以上の服用で取り組むと良いでしょう。

また、漢方薬は相性によって効果が出る・出ないがあります。そのため、手足が冷たい方が当帰芍薬散を飲めば全員改善されるということでもなく、他の漢方薬で症状が改善される場合もあります。自分に合う漢方薬は、実際に服用しながら体に起こる変化を見ながら最適なものを見つけていく、というのがとても大切になります。

まとめ

つらい冷え性を和らげるためには、食事や運動などの日々の生活での冷えにくい体づくりが大切です。冷えが改善されると、さまざまな体の不調の改善にもつながります。

また、冷えの改善には漢方薬もおすすめです。ご自身に合った漢方薬を毎日の生活に取り入れて、冷え知らずのすこやかな毎日を目指しましょう。

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