風邪が治ったのに、いつまでも空咳がしつこく長引いた経験はありませんか?
咳止めの薬を飲むと眠くなることも多いため、車の運転中や仕事中は服用できず、困る人もいるでしょう。空咳を放置しておくと、こじらせてしまいつらい思いをすることも。
この記事では、長引く空咳の原因と、その効果的な対処法について解説します。
空咳が続く原因は?
咳は、原因物質によって喉頭や気管支などの軌道の粘膜が刺激され反射が起こり、吸い込んだ空気が急激に外に押し出されて起こります。
夜に咳が止まらず眠れなかったり、胸が苦しくなったりと、生活に支障が出ることも少なくありません。
乾いた咳の原因には、どのようなものがあるのでしょうか。
アレルギー
まず一つ目はアレルギーです。花粉症やアトピー性咳嗽(がいそう)が原因で、咳が長引くことがあります。
炎症を起こして過敏になっている気道をアレルギー物質が刺激し、激しい咳を誘発することも。
花粉やダニ、ハウスダストを吸い込まないよう、マスクをしたりこまめな掃除をするよう心がけましょう。空気清浄機の使用もおすすめです。
また、エアコンのフィルターもカビやほこりが溜まりやすいため、定期的に清掃するようにしましょう。
風邪の治りかけ
風邪の治りかけの時、空咳が続くことがあります。就寝前や早朝に起こることが多いです。
通常は風邪の症状が治った後の一週間ほどで咳も治りますが、症状がおさまらず長引く場合には別の病気が潜んでいる可能性もあります。病院での診察を受けることをお勧めします。
空気の乾燥
空気が乾燥していると、喉も乾燥します。乾性咳嗽(がいそう)とも呼ばれ、軽い感じの「コンコン」というような、痰を伴わない空咳が続きます。
ストレスによるホルモンバランスの乱れ
乾いた咳が2~3か月続く場合は、ストレスが原因でホルモンバランスが乱れていることも考えられます。
集中している時には咳が出ず、気が抜けたときにひどくなる場合は、ストレスが原因かもしれません。
十分な睡眠や運動、音楽鑑賞など、自分に合ったストレス解消法をとることで、改善がする場合があります。
空咳を放っておくとどうなる?
鼻、のど、気管支などの呼吸器系は、ウイルスや菌、ほこり、花粉などの影響を受ける非常に敏感です。
その粘膜がエアコンなどの空気の乾燥の影響により乾燥し、うるおいが少なくなることで炎症を起こしやすくなり、空咳の原因となります。
また、粘膜の乾燥はウイルスや細菌への抵抗力を下げ、風邪をひきやすくなる一因とも言われています。
症状がこじれると、胸やのどの痛みや体力の消耗と共に気管支炎や肺炎、ぜんそくを引き起こす可能性があるため、空咳と軽んじて放っておくのは危険です。
長引く空咳の対処法
咳は本来、気道内の異物や細菌を体外に吐き出す体の防衛反応であるため、むやみに止めないほうがよいものでもあります。
しかし、空咳が長引き生活に支障が出る場合は、相応の対処が必要です。大切なのは粘膜をうるおすことと。普段からできる対処法をご紹介します。
飴をなめる・水分補給をする
通勤電車や公共の場などで咳が止まらない時は、飴をなめてみましょう。唾液が出ることで一時的に喉に潤いを与え、咳を抑えることができます。
また、水分補給によって直接のどにうるおいを与えることも効果的です。特に温かい飲み物は、気管を広げ呼吸を楽にして咳を鎮めてくれます。
濡れマスクをつけて眠る
濡れマスクは、鼻やのどの粘膜にうるおいを与えてくれる優れたアイテムです。
日中は唾液や粘膜の働きによって異物やウイルスが体内へ侵入するのを防ぎますが、就寝時はその抵抗力が下がってしまいます。濡れマスクを着用して寝ることで、粘膜のうるおいを保つことができます。
横を向いて眠る
咳が続く時は、仰向けではなく横向きで寝ることを意識しましょう。気道を圧迫せず、症状が軽くなります。
喉が冷えていると感じる時には、首にネックウォーマーを巻くのもおすすめです。
漢方薬を飲む
なかなか改善しない悩むときは、漢方薬の力を借りるのもおすすめです。
麦門冬湯(ばくもんどうとう)という漢方薬は、痰があまり出ない乾いた咳がコンコンと続くような時や、風邪が治ったのに咳だけが続く時に効果的。
乾いた体にうるおいを与える効果があり、咳などの原因となる乾燥にうるおいを与えて咳を止め、弱った体を元気にします。
麦門冬(バクモンドウ)、半夏(ハンゲ)、粳米(コウベイ)、大棗(タイソウ)、人参(ニンジン)、甘草(カンゾウ)
まとめ
しつこい空咳の原因と、その効果的な対処法をご紹介しました。
長引く咳は体力を奪い、睡眠を妨げるなど生活の質を下げてしまいます。また、自分が辛いだけでなく、周りの人にも心配をかけてしまいますので、早めに対処することをお勧めします。
なお、長引く咳の裏には、何か別の病気が隠れていることも考えられますので、長期間症状が治まらない場合や、日ごとに悪化していると感じた場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。