自然由来の成分を使った漢方薬で自然な眠りを

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記事監修

+kampo(プラス漢方) 笹森有起
オフィス薬局 管理薬剤師

「寝起きがスッキリしない」

「布団に入っても寝付けない」

現代は自然な睡眠生活を送ることが難しくなる、さまざまな要因に満ちています。

心地よい眠りとは縁遠い、という方も多いのではないでしょうか。

この記事では、薬剤師が不眠に関して以下の内容を解説します。

  • 不眠に関して
  • 自然由来の漢方薬の不眠への効果

不眠を知り漢方薬を生活にプラスすることで、自然な眠りを体験しませんか?

不眠って寝れない症状だけではない!?

不眠とは、寝れない症状だけでなく睡眠問題に関する全般のことを示します。

この章では、不眠症の基礎的な内容と原因を紹介します。

不眠症とは

不眠症とは、以下の睡眠に対する問題が1ヶ月以上続くことです。[1]

  • 入眠障害
  • 中途覚醒
  • 早朝覚醒
  • 熟眠障害 など

睡眠問題により、日中にも倦怠感や意欲低下、集中力低下、食欲低下などの不調が出てきてしまいます。

不眠による生活の支障を感じるという方は、どのくらいの症状がどの程度続いているのかを思い出してみましょう。

不眠症の原因

充分な睡眠を妨げる原因として考えられるものは様々です。

  • 心理的、身体的、精神的要因
  • 薬理学的原因(カフェインなどの飲食物や医薬品の影響)
  • 体内時計のリズムの乱れ
  • ストレスや心配事
  • 環境の変化などの心理的な影響
  • うつ病といった病気の影響 など

「眠りやすくなるから」と晩酌をして床につく方も多いですが、これも不眠の原因になることがあります。

アルコールによって夜中に何度も目が覚めたり、トイレが近くなって起きてしまったり、眠りが浅くなったりするからです。

また、眠れない時スマートフォンを見たりゲームをしたりすることも、睡眠を妨げる原因のひとつです。

不眠の原因は一つとは限らず、いろいろな要因が組み合わさっていることも多くあります。

心地よい睡眠が得られない生活が続くと、心身ともに疲労がたまり、日常生活に支障をきたしてしまうことも。

忙しかったり、ストレスが多かったりする生活の中で、不眠症の不安を抱えながら日常を送っている方も少なくないのではないでしょうか?

不眠を改善する方法

不眠症を治す方法として、まず最初に行うこと。

それは「不眠が起こる原因を取り除き、眠りにつきやすい環境を整えること」です。

眠りにつきやすい環境とは、どういったものでしょうか?

眠りにつきやすい環境をチェック

いつも寝る環境を思い出し、チェックしてみてくださいね。

□ 自分自身に合った寝室や寝具である
□ 規則的な日常生活を送っている
□ 毎日一定の時間に床に入っている
□ 入眠前にストレッチしたり、ぬるめのお湯で入浴をしている
□ 心身がリラックスした状態で布団に入っている
□ 入眠前のカフェインや過度な量のアルコールは控えている
□ 起床後まもなく、太陽光などの光にあたっている
□ 入眠前は強い光やスマートフォンの光は避けている
□ 日中は運動をし、程よい肉体的疲労を伴う活動をしている

いかがでしょうか?

チェック項目が多い人ほど、眠りにつきやすい環境が整っていると考えられます。

睡眠に影響があるのは、意外にささやかな習慣であることがわかりますね。

習慣や環境を見直すことで、睡眠の質が良くなることに期待ができます。

それでも寝れない時は受診しましょう

それでも眠れない場合は、医師の処方のもと睡眠導入薬を使用することも、一つの選択肢として挙がってきます。

睡眠に対しての薬を服用しての治療である薬物療法。
不眠のタイプや症状の度合、原因などから、適切な睡眠薬が処方されます。

日常生活に支障をきたすレベルの不眠は、放っておかずしっかり治療をするのが、健康や心身を守るために重要です。

我慢せず、専門家に相談してみましょう。

ちなみに市販の睡眠薬は「睡眠改善薬」とも呼ばれています。

抗アレルギー薬の成分にある眠気の副作用を利用しており、医師から処方される薬とは効き方が異なります。

ドラッグストアで買えるものから処方薬まで、不眠を対象にした薬はさまざま。

「漢方薬」も、自然な睡眠を目指す一つの選択肢としておすすめです。

漢方薬における不眠治療

漢方薬の効き方は、医師から処方される睡眠導入薬のような直接的に睡眠を誘う作用とは異なります。

睡眠導入薬のような脳に働きかけ睡眠に導く作用とは違い、自然由来の生薬の効果で自然な眠りへ導きます。

「確実に睡眠状態に入ることを目指し、頓服的に服用したい」という場合には、あまりおすすめできません。

しかし、徐々に自然な眠りの状態へと向かわせていくという意味においては、漢方治療は効果を期待できます。

漢方薬は不眠の症状だけでなく、様々な身体の不調にも効果的です。

では、どのような漢方薬が不眠によく用いられているのでしょうか?
心身の状態や症状によって適性があります。

以下に不眠の症状に効果的な漢方を紹介します。
参考にしてみてくださいね。

酸棗仁湯(さんそうにんとう)
  • 心身の疲労を感じる
  • しっかり眠れない
  • 目がさえる
  • 不安感がある
加味帰脾湯(かみきひとう)
  • 虚弱体質
  • 微熱
  • 寝汗
  • 不安感がある
桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)
  • イライラ
  • 焦燥感
  • 神経症
  • 眼精疲労
柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)
  • 生理前後の不調
  • 更年期障害
  • 動悸
  • 貧血
黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
  • 胃炎
  • 動悸・めまい
  • 生理前後の不調
  • 更年期障害

漢方薬で自然な睡眠を目指しましょう

「漢方はオーダーメイド」とよくいわれ、その人の症状に合ったものが選ばれます。

上記の漢方処方以外にも、一人一人の体の状態や症状によってマッチした漢方薬が処方されることも。

また漢方薬は、習慣性や日中の眠気誘発などのような副作用も現れにくいと言われています。

できるだけ自然な心地よい眠りを目指したい方は、漢方薬というアプローチも選択肢の一つに考えてみてはいかがでしょうか。

 

 

【参照】

[1]eヘルスネット 不眠症

スイミンネット

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