寒い季節になると、首から背中にかけて筋肉が張ったり凝ったりという症状がひどくなる方もいるのではないでしょうか。
厚生労働省「国民生活基礎調査」によると、女性が訴える自覚症状の中で「肩こり」に悩んでいる方の割合が最も高く、男性は腰痛に次いで「肩こり」が第2位に挙げられている事が分かっています。
加えて、リモートワークの増加によりさらに多くの方が肩こりの悩みを抱えているのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、これから訪れる冬に備えて、肩こりの原因とおすすめの温活を解説します。
なぜ、からだが冷えると”肩がこる”のか
私たちのからだは重い頭を支えなければならないため、首や肩に負担がかかりやすい構造をしていることをご存知でしたか?
そのため、首や肩の周りには多くの筋肉や血管が存在しています。
冬の寒さや慢性的なからだの冷えは、“筋肉の硬直”と“血行不良”を引き起こす原因となります。
血行が悪い部分に疲労物質や痛み物質が蓄積する事により、だるさや頭痛といった肩こりの症状が起こるのです。
「冷え」は免疫機能にも影響している
体温が1℃低下すると免疫機能が30%以上低下するといわれています。
そのため、健康なからだを保つには「冷え」は大敵なのです。
理想的な体温は36.5℃と言われています。基礎体温が低い方やからだが冷えやすい方は、のちほどご紹介する体温を上げる方法をぜひ試してみてください。
体質だからと諦めないで!冷えの3大原因
冷え性は体質だから・・・。と諦めていませんか?
冷えの原因は主に以下の3つの生活習慣が関与していると考えられています。生活習慣を見直すと症状が軽くなる可能性があるのです。
ストレスや睡眠不足による自律神経の乱れ
自律神経は、内臓のはたらき、呼吸、体温調整など私たちのからだの状態を一定に保つ役割を担っています。
そのため自律神経のバランスが崩れてしまうと「冷え」などの不調に繋がります。
筋肉が少なく、からだの中で熱がうまく作れていない
筋肉は私たちのからだを動かすだけではなく、熱を生み出すはたらきも持っています。
女性は一般的に男性に比べて筋肉量が少ないため、冷え性の悩みを抱えている方が多いのです。
同じ姿勢を続けることによる血行不良
血液の巡りが悪いとからだの熱を全身へ正常に運ぶことができません。
例えば寒さで肩をすくめたり、デスクワークなどで長時間同じ姿勢でいると、筋肉が硬直し、血行不良になりやすいため注意が必要です。
肩こりにおすすめの「温活」
温活とは、からだの体温を上げることで、様々な不調を解消することです。
毎日の生活に取り入れて、冷えからくる肩こりを改善しましょう。
おすすめの温活をご紹介しますので、ぜひあなたの生活にプラスしてみてください。
意外と知らない白湯の効果
白湯には、内臓からからだを温めて血液の巡りを良くしてくれる効果があり、血液の巡りが良くなることは肩こり解消に役立ってくれます。
さらに老廃物の排泄促進や胃腸のはたらきも助けてくれるため、美容面でもメリットが期待できます。
また、就寝中に人はコップ一杯分の汗をかいています。寝ている間に失った水分を補給する意味も兼ねて、寝起きのタイミングで白湯を飲んで、気持ちの良い朝をスタートしましょう。
体を温める漢方薬を、肩こり対策に
東洋医学的に肩こりは「瘀血(おけつ)」=血の巡りが悪いことによって起こると考えられており、体質・症状によって様々な漢方薬があります。
中でも風邪に使うイメージの強い葛根湯(かっこんとう)はからだを内側から温め、温経・発汗・鎮痛の効果があるため、痛みや寒気を伴う肩こりにも多く使用されます。
つまり、からだを温めて血行を良くすることで、肩こりの症状をやわらげてくれるのです。
・葛根(カッコン)、麻黄(マオウ):発汗作用
・生姜(ショウキョウ)、桂皮(ケイヒ):からだを温める
・大棗(タイソウ)、甘草(カンゾウ):他の生薬の働きを調和
・芍薬(シャクヤク):過度の発汗を抑制
すきま時間でも大丈夫!ストレッチでしなやかに
先ほどご説明したように、からだの熱を生み出すには筋肉量が大きく関わっています。
そのため、冷えを改善するには筋肉を鍛えることがとても大切なのです。
特に下半身にはからだの約70%の筋肉が存在しているので、スクワットなどを行うことで効率的に筋肉量を増やすことができます。
負荷の大きい運動が苦手な方には、ふくらはぎのストレッチがおすすめです。
ふくらはぎは「第2の心臓」と言われており、からだの血液を巡らせるポンプのような役割を果たしています。
筋肉は動かさないと硬くなってしまうので、すきま時間にストレッチをして、しなやかな筋肉を作ることを心がけましょう。
ふくらはぎをマッサージするだけでも効果が期待できますよ。
慢性的な肩こりには温シップも
肩こりの痛みがひどい時には、市販のシップの活用もおすすめです。
身近な存在のシップは、温シップと冷シップの2種類ありますが、肩こりには温シップを選びましょう。カプサイシンというトウガラシ成分が含まれており、温かさを感じながら消炎・鎮痛効果が期待できます。
慢性的な肩こりは冷えが原因である事が多いので、冷シップで患部を冷やしてしまうと症状が悪化してしまう可能性があります。
冷シップは、筋肉痛や捻挫などの痛みに効果的とされているので、2種類のシップの特徴をうまく使い分けてみましょう。
サウナでぽかぽかに
ここのところ男性の間で人気が高いサウナですが、冷え性の女性にもおすすめですよ。
サウナはからだを芯から温めますが、「温かいサウナ」と「冷たい水風呂」に交互に入ることで、交感神経と副交感神経を交互に刺激し、自律神経のはたらきを活性化できます。
その結果、血行の促進だけでなく、疲労やストレスの解消も期待できます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
「冷えは万病の元」という言葉の通り、冷え性は肩こり以外にも便秘や不眠といった様々悩みの要因になるだけではなく、免疫機能に影響を及ぼすことも。
冷えからくる肩こり対策として、
- 起き抜けの白湯
- 漢方薬(葛根湯)
- ストレッチ
- 温シップ
- サウナ
をご紹介しました。
日々の生活で、からだと心が良いと感じることを増やしてゆきましょう!