漢方薬の基本的な飲み方を薬剤師が解説

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記事監修

+kampo(プラス漢方) 笹森有起
オフィス薬局 管理薬剤師

「漢方薬っていつどのタイミングで飲めばいいの?」
「食前の服用は忘れやすい」
「いつ飲めば効き目が良いの?」

はじめて漢方薬を飲む人は、1日の服用回数が多いことから少しハードルが高いと感じてしまいますよね。

この記事では漢方薬の基本となる飲み方と、おすすめの飲み方について薬剤師が解説します。

普段の生活に無理なく飲めるように漢方をプラスし、健康的な生活を送りましょう。

飲み方の前に、漢方薬とは?

漢方薬は、植物や鉱物などの天然物を原料とした生薬を2種類以上、決められた分量で組み合わせてつくられる薬です。

漢方処方とも言われ、日本において漢方薬は治療効果のある医薬品として認められています。

体力の低下、消化器の症状、アレルギー、ストレスで悪化する病気、更年期障害、月経痛、冷え症など、さまざまな病気や症状に使われます。

漢方薬に関して紹介している記事があるので、気になる方は参考にお読みください。

漢方薬はいつ飲んだらいい?

漢方薬は、いつ飲めば体に良いのでしょうか。
一般的な飲むタイミングに関して、+kampo(プラス漢方)がおすすめする漢方薬の飲むタイミングを紹介します。

漢方薬の基本的な飲むタイミング

ほとんどの漢方製剤の添付文書に記載されている内容が「食前・食間の空腹時に、水または白湯で服用する」です。

食前食事の1時間〜30分前(胃の中に食べ物が入っていない時)
食間食事の2時間後(食事と食事の間)

普段、クリニックや病院から処方される錠剤やカプセル剤、粉薬は食後が多いですよね。
食後とは、食後30分以内で胃の中に食べ物が入っている時を指します。

それと比べて、漢方薬は食前や食間の胃に食べ物が入っていない時に服用するように指示されることが多いです。

漢方薬が食前・食間指示の理由

漢方薬が「食前または食間の服用」となってるのは、食事の影響を受けにくいことと、漢方薬のこれまでの慣習や歴史などの経験に基づいています。

また、食前・食間服用の理由として、以下の理由があげられます。

  • 空腹時の方が吸収が早いので、作用の穏やかな漢方薬は適している
  • 空腹時の胃が酸性のため、作用の強い成分の吸収が抑えられる
  • 漢方薬は食と起源が同じため、食後だと食事と相互作用を起こす
  • 漢方薬は腸内細菌で代謝され吸収されるため、空腹時の方が腸内細菌の影響を受けやすい など

ただしこれらの理由は、特定の生薬成分や漢方製剤の吸収の理由には該当しますが、漢方薬全体を規定する理由にはなりません。

実は食前・食後投与において、全ての漢方薬で薬効・副作用への影響がどの程度あるのか正確なことはわかっておりません。

また、胃腸が弱い場合など、医師・薬剤師の指示により食後に服用することも。

上記のことを踏まえると、あまり食前や食間などと神経質にならずに回数通り服用することを意識するという方が良いと考えます。

+kampo(プラス漢方)のおすすめする服用タイミングとしては、朝起きた時に1回服用、寝る前に1回服用、日中どこかのタイミングで1回服用するという方法をおすすめしています。

ご自身のライフスタイルに合わせて工夫してみてください。

漢方薬の飲み方の工夫を紹介

漢方薬と聞くと、飲みにくい、苦い、おいしくないというイメージがある人もいますよね。

漢方薬が苦手な人は、ちょっとした工夫で飲みやすくなるので試してみましょう。

飲み方①お湯に溶かす

漢方薬のエキス粉末をお湯に溶かして、煎じ薬のように服用することも可能です。

煎じ薬のようにすることで、独特の香りや味を楽しむことができ、リラックスしながら服用することができます。

お茶みたいにして飲んでみましょう。

飲み方②あらかじめ水を口に含む

粉や味がどうしても苦手という場合は、あらかじめ水を口に含んだ状態で漢方薬を飲む方法もおすすめです。

水を口に含んだ状態であとから漢方薬と一緒に飲み込むことで、口に粉が残りにくくなり、味や香りが緩和されます。

飲み方③オブラートに包んで服用する

オブラートに包む方法もおすすめです。

漢方薬を入れ、小さく折りたたみます。
その後、少し水の入ったコップなどに漢方薬を包んだオブラートを入れ、ひたしてください。

10秒ほどひたしたら、水と一緒に飲み込みます。

漢方薬が口の中に付着することがなく、のどを通りやすくなりますよ。

飲み方④食べ物に混ぜて服用する方法

ヨーグルトやアイスクリームなど好きなものや味の濃いものに混ぜて服用もおすすめです。
甘いものが苦手な人は、味噌汁などでも良いですね。

味の濃い食べ物に混ぜて一緒に服用することで、風味が軽減され服用しやすくなります。

この飲み方は、大人だけでなく子供に薬を飲ませるときにも有効なので、ぜひ試してみてください。

漢方薬は飲みやすい時間に服用して健康的な毎日へ

この記事では、漢方薬の服用するタイミングや飲み方の工夫を紹介しました。

食前・食間に服用するように言われる漢方薬ですが、飲むタイミングに悩んだ場合は処方された医師または薬剤師に相談してください。

+kampo(プラス漢方)では、朝起きた時に1回服用、寝る前に1回服用、日中どこかのタイミングで1回服用するという方法をおすすめしています。

飲み方を工夫することで、漢方薬を毎日の習慣にプラスしましょう。

 

 

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