疲労を回復する方法として、一般的に以下が挙げられます。
- 休む
- 栄養をとる
栄養をとることを考えたときに、ぴったりなのが薬膳。
しかし、「薬膳って難しそう」「体に良いけど美味しくなさそう」という声をよく聞きます。
実は「薬膳」は簡単で、誰にでも作ることが可能です。
この記事では薬膳カフェでの勤務経験のある筆者が、疲労回復に効果がある薬膳レシピを紹介。
- ピーチティー
- 小豆とサツマイモの白玉
- きのこと生姜のさっと煮
- ナスとピーマンの中華風マリネ
- サーモンとセロリのマヨ和え
簡単にできるので、薬膳が気になる人はぜひ試してみてください。
薬膳とは?
薬膳は以下のように定義されています。
「薬膳」とは、食事を「薬食同源」としてとらえてきた、中国の伝統医学理論に基づく、健康維持、病気の予防、回復などに役立つ美味しい料理
引用:全日本薬膳食医情報協会
食べ物の性質を知って、自分の体調に合わせて料理に取り入れ、美味しく食べることが薬膳といえます。
元気が出ない「気虚」の状態
中医学で言う「気」は生命エネルギーの素で、以下に示す働きがあります。
- 生命活動の原動力
- 代謝や体の温度調節
- 病気の原因から体を保護 など
「気」が不足した状態を「気虚」といいます。
疲れやすく、やる気が出ず、免疫力も低下。
具体的な気虚の症状をみていきましょう。
- 疲れやすい
- かぜをひきやすい
- 手足の冷え
- 食後すぐに眠くなる
- むくみ
- 息切れ
- 胃もたれ など
「気」について詳しく知りたい方は以下の記事をチェックしてみてください。
気を補う薬膳食材
気を補う薬膳食材として
- 野菜
- 肉類
- 魚類
- その他
に分けて紹介していきます。
野菜
根菜やアスパラガスなどが薬膳料理の食材によく使われます。
山芋 |
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さつまいも、じゃがいも |
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かぼちゃ |
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アスパラガス |
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肉類
牛肉、豚肉、鶏肉などがあります。お肉は元気の素というイメージもありますね。
牛肉 |
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豚肉 |
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鶏肉 |
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魚類
いわし、うなぎ、まぐろ、えびなどが薬膳料理で使われます。
いわし |
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うなぎ |
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まぐろ |
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えび |
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その他
穀類、豆類、きのこ類も薬膳料理の食材としておすすめです。
穀類(玄米、うるち米、もち米、雑穀、ハトムギなど) 豆類(黒豆、大豆、枝豆、さやいんげん、そら豆、エンドウ豆など) |
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しいたけ |
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まいたけ |
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ぶどう |
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消化を助ける調理法
「気虚」の状態の時は、胃が弱っていることも多くあります。
よって消化を助ける調理法により「体にやさしい」食事がおすすめです。
温める
胃の消化機能は体温より少し高い温度で一番働くため、温かいスープや味噌汁などの汁物や煮物がおすすめです。
熱すぎは逆に刺激になるので注意してください。
細かく切る・やわらかくする
細かく刻んだり、すりつぶす、やわらかくすることで消化しやすくなります。
消化を助ける調理法で、胃にやさしく栄養を取っていきましょう。
疲労回復のための簡単薬膳レシピ5選
この章では、疲労回復に効果的な薬膳素材使ったおすすめレシピを紹介します。
- ピーチティー
- 小豆とサツマイモの白玉
- きのこと生姜のさっと煮
- ナスとピーマンの中華風マリネ
- サーモンとセロリのマヨ和え
順に見ていきましょう。
①ピーチティー
合わせるだけの簡単レシピ。
お好みの紅茶を選んでください。
材料
- 桃(ジャムで代用可能):適量
- 紅茶:適量
作り方
- 紅茶に桃または桃ジャムを合わせる
これだけで完成です。
ジャムを使えば、旬を問わず1年中楽しむことができます。
薬膳作用
桃は温性なので、体を温める役割があり、疲労回復や、からだを潤す役割に期待です。
②小豆とサツマイモの白玉
小豆とサツマイモの甘さでほっこりできるデザートです。
材料(2人分)
- 茹で小豆:50g
- サツマイモ:200g
- 調整豆乳:150ml
- 白玉粉:30g
- 水(白玉粉用):25-30ml
- 黒糖:40g
- 塩:少々
作り方
- サツマイモは一口大に切り、ゆでます。
蒸かしたり、電子レンジで5分の加熱でも大丈夫。 - 柔らかくなったら、サツマイモだけを鍋の中でつぶします。
豆乳を加え弱火で温めながら、なめらかになるまで混ぜ合わせてください。 - 黒糖・塩を加てひと煮立ちさせたら、火を止めます。
- ボウルに白玉粉と水半量を加えよく混ぜ、残りの水を入れてなめらかになるまで混ぜましょう。
- 白玉は親指大に丸め、中心を少しへこませて、沸騰したお湯に入れてください。
浮き上がってきて10秒ほどしたら水にさらします。 - 白玉と鍋のサツマイモ豆乳を混ぜて出来上がり。
薬膳作用
- 小豆:体の余分な水分をだす
- サツマイモ:胃腸を元気にしてくれる効果、ビタミンを多く含む
- 黒糖:体を温める、血行を促進する
温かくして食べることで、身体も温まりますよ。
③きのこと生姜のさっと煮
保存もできる煮物なので、ご飯のお供にもおすすめです。
材料
- 生姜:200g
- 生椎茸:6枚
- 水:3カップ
- 酒:大さじ3
- 醤油:大さじ3
- 砂糖:大さじ2
- みりん:大さじ2
作り方
- 生姜は細切り、生椎茸は薄切りにします。
生姜は辛みを抑えたいのであれば、塩で揉んで約30分おいた後に熱湯で洗い水気をきりましょう。 - 生姜と水を鍋に入れて火にかけます。
- 沸騰したら弱めの中火で10分間煮てください。
- 生椎茸と酒を入れて5分ほど煮ます。
- 醤油と砂糖、みりんを入れてひと煮立ち。
- 煮汁がほぼなくなれば完成です。
- 耐熱容器などにいれて荒熱をとってくださいね。
薬膳作用
生姜は温める作用があるので、胃腸の調子を整えます。
また食欲増進にも効果的。
風邪のひきはじめや冷え性の方にもおすすめ。
椎茸は胃腸が弱っている時に効果的。
食欲低下や胃もたれにおすすめの食材です。
元気を補うので、弱った身体を補強します。
④ナスとピーマンの中華風マリネ
冷たくても美味しくさっぱり食べれる、中華風のマリネです。
冷凍保存もできるので、作り置きの副菜としても利用できます。
材料(2人分)
- ナス:3本
- ピーマン:3つ
- 塩:少々
- A 豆板醤:小さじ1
- A 醤油:小さじ1
- A 酢:大さじ2
- A ごま油:小さじ2
作り方
- ナスは1cm幅の半月切りにします。
- 切ったナスを水に5分ほどさらして塩をふります。
5分経ったら、耐熱容器にいれてふんわりラップをし電子レンジで5分加熱。
この時、水分がナスについていても大丈夫です。 - 加熱できたら、ざるにあげ、ヘラなどでかるく押して水気をきります。
- ピーマンは1cm幅の細切りにします。
耐熱容器にピーマンを入れてラップをかけ、電子レンジで50秒ほど加熱。 - 水気を切ったピーマンとナスを保存容器にいれたら、Aを加て混ぜて完成です。
薬膳作用
- ナス:身体の余分な熱を冷ます、胃腸の調子を整える、利尿作用によりむくみに効果的
- ピーマン:体の内側を温める、気血の巡りをよくする、消化機能を整える
⑤サーモンとセロリのマヨ和え
サーモンはしっとりした柔らかい味わいです。
冷たくても温かくても美味しい1品。
材料(2人分)
- サーモン:2切れ
- セロリ:1本
- 顆粒コンソメ:小さじ1
- 塩・こしょう:少々
- A マヨネーズ(カロリーハーフ):大さじ3
- A トマトケチャップ:大さじ1
- A ごま油:大さじ1
作り方
- セロリは茎の部分は薄切りにする。
葉っぱの部分は食べやすい大きさに切っておく。 - セロリの茎の部分を耐熱容器に敷き詰め、上から顆粒コンソメをふる。
- 一口大に切ったサーモンをのせて塩、こしょうをふります。
- 上にセロリの葉っぱをのせ、ふんわりとラップをかけ4分加熱。
- 加熱が終われば混ぜ合わせたAをかけて出来上がり。
薬膳作用
サーモンは胃腸を温める効果がり、消化機能に効果的。
胃が弱い人や、消化不良の症状に良いです。
気を補い、血の巡りを改善します。
セロリはめまいやイライラ、のぼせ、頭痛などに効果的。
余分な水分を取り除く作用があるのでデトックスも期待できます。
簡単薬膳レシピで疲労回復する日常を
この記事では、明日の献立から取り入れられる、疲労回復の薬膳レシピを5つ紹介しました。
全てスーパーに売っている食材だけで作ることができますよ。
献立に加えて疲労回復につなげましょう!
【参照】