【不眠症】眠れないのはストレスのせい?現代人が悩む不眠症の対処法

不眠に悩む女性その他のお悩み

記事監修

+kampo(プラス漢方) 笹森有起
オフィス薬局 管理薬剤師

あなたはぐっすり眠れていますか?

心身共に健康な人でも、ストレスや心配ごとのせいで不眠状態に陥ってしまうのは珍しいことではありません。また眠れても「夜中に目が覚めて熟睡できない」「朝起きたときに疲れが取れていない」などの睡眠の「質」が低下してしまう場合もあります。

眠れない状態が続くと、心身に不調が出てしまい日常生活に支障をきたす可能性も。

ここでは多くの現代人が悩む不眠症の原因と対処法についてご紹介します。

そもそも不眠症とはどういう状態のこと?

眠れない状態が一時的なものであれば、大きな問題ではありません。しかし眠れない日が続き、日中に眠気やだるさを感じたり、仕事や家事など生活に支障をきたす場合は、何か改善策を考えたいですね。

不眠の症状は大きく分けて4タイプ

一口に不眠といっても症状はさまざま。大きく次の4つのタイプに分類されます。

入眠障害

なかなか眠れない、寝付きが悪い状態です。
働き盛りの世代に多く、不眠症の中で多数を占めるタイプにあたります。

中途覚醒

夜中に目が覚め、その後眠ることができない状態です。
頻尿などが原因の場合もあり、高齢者に多く見られます。

早期覚醒

起床時間よりも先に目が覚めてしまう状態です。
高齢者のほか、うつ病などの疾患が要因となることも。

熟眠障害

ぐっすり眠った感じがしない、疲れが取れていない状態です。

どうして眠れないの?不眠症の原因とは

ベットルームを整え眠りに適した状態に

心身の不調や個人の環境など、不眠につながる原因は多岐にわたります。1つに絞られるわけではなく、複数の要因が絡み合うことによって不眠が起こるこもあります。

日常のストレス

試験や仕事のプレゼンが近い、仕事でのトラブルなど日常のストレスも不眠に関係します。
特に几帳面で真面目な人ほど、ストレスを強く感じる傾向にあります。

身体の不調

咳や発作が起こる呼吸トラブルや、痛みやかゆみを伴う傷や肌荒れなども不眠の原因となります。

心の不調

うつ状態など心の不調が安眠を妨げることも少なくありません。
早期覚醒や、朝より夕方に元気が出てくるような方は、医師に相談することをおすすめします。

薬の副作用や飲食物

薬の副作用も安眠を妨げる可能性があります。またコーヒーや紅茶などに含まれるカフェイン、タバコのニコチン、アルコールには覚醒作用や利尿作用があるため、尿意を感じて夜中や早朝に目が覚めてしまいます。

女性ホルモンの変化

女性はライフステージにおいて、ホルモンの影響を受けやすい傾向にあります。
女性ホルモンの変化は睡眠にも影響します。ホルモンが変化しやすい妊娠中や出産後、更年期の女性が不眠に悩まされることがあります。

睡眠を取り巻く環境

寝具だけでなく、音や照明などの睡眠を取り巻く環境も眠りを妨げる原因に。また、室温は20℃前後、湿度は40~70%を保つのが睡眠によいと言われています。

生活リズムの変化

海外旅行や出張の際の時差や、勤務シフトで昼夜逆転が続くなど、生活リズムの変化によって体内時計が乱れると、不眠が起こる可能性が高くなります。

眠れないときはどうしたらいい?不眠症の対処法

朝の太陽を浴びる女性

睡眠の質を高めてぐっすり眠るためには、不眠の原因を取り除くことが大切。生活習慣の改善が不眠の解消につながります。

就寝、起床の時間を一定に保ち、体内時計を整えよう

就寝時間と起床時間を一定にし、起床時には太陽の光を浴びましょう。約24時間のリズムで刻まれる「体内時計」がリセットされ、夜も自然に眠りにつきやすくなります。

きちんと朝起きて活動し肉体的に疲れることで、夜は休息時間だということが体に刻まれるのです。

適度に身体を動かそう

眠りにつく3時間前や夕方に、散歩やストレッチ、ヨガなどの軽めの運動をするのも睡眠に効果的です。ほどよい疲れ、適度の体温上昇が質の高い眠りにつながります。

夜はリラックスする時間を作ろう

自律神経の働きも睡眠に深く関わっています。

自律神経は交感神経と副交感神経と呼ばれる2つの神経からなり、特にリラックスしている際に優位に働くのが副交感神経です。お風呂に浸かって体を温めたり照明を暗めにしたりして、緊張をほぐしリラックスする時間を作ることが安眠への鍵と言われています。

睡眠時間にこだわるのをやめよう

「今日こそ何時間寝ないといけない」と睡眠時間にこだわりすぎて、逆に眠れなくなってしまうという人も少なくありません。適切な睡眠時間は個人差があるものです

眠気を感じたときに眠ることができて日中に支障がなければ、睡眠時間を気にする必要はありません。

寝付きが悪い場合には漢方薬を試してみよう

酸棗仁湯(さんそうにんとう)は「心身共に疲れているのに、何だか目がさえてしまう」という不眠の改善によく用いられる漢方薬です。神経症、自律神経失調症などからなる不安感を抑える効果が期待できます。

眠りが浅くて夢を見てしまう、熟睡感が得られないなど眠りの質が低下している状態を改善してくれます。

【配合される生薬】
酸棗仁(さんそうにん)
茯苓(ぶくりょう)
川芎(せんきゅう)
知母(ちも)
甘草(かんぞう)

まずは生活習慣を整え不眠の改善を

現代人を悩ませる不眠症の原因と対処法についてご紹介しました。

朝はたっぷりと太陽の光を浴び、昼間は仕事や家事、運動などで活発に過ごし、夜にリラックスすることによって「体内時計」のリズムを整えましょう。また、眠れないためにストレスがたまっていたり不安な人は、漢方薬を服用するのもおすすめです。

不眠は国民病とも言われるほど多くの人が悩む一般的な症状です。深く思い詰めず、まずは生活習慣を整えることで改善していきましょう。

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