乾燥による手荒れ、ひび割れから手を守る!おすすめのケアと対策をご紹介

ハンドクリームでお手入れ肌トラブル

記事監修

+kampo(プラス漢方) 笹森有起
オフィス薬局 管理薬剤師

冷たく乾いた風が身にしみる冬が近づいてきました。
いつの間にか手指が乾燥し、カサカサやささくれなど起きていませんか?
乾燥する冬は手荒れトラブルが増える季節です。

冬は気温の低下に伴い、空気中の水分量が減る冬は湿度が大幅に低下
気候的な乾燥に加え、エアコンなどの暖房器具でも乾燥しやすいためです。
また、コロナ禍を経て身についた手洗い・アルコール消毒の習慣も、手荒れの原因に。

今回はつらい手荒れ、ひび割れから手を守る方法やケアについて解説します。

肌の「バリア機能」の低下が手荒れの原因

洗剤をつけて食器洗い

手荒れの原因のひとつが、手を守る「バリア機能」の低下によるものです。

私たちの皮膚の一番外にある部分は、皮脂膜に覆われた角質層です。
角質層は外部の刺激から皮膚を守り、水分を保持する「バリア」となっています。乾燥する冬はこのバリア機能の働きが弱まってしまうのです。

洗剤を使った食器洗い、感染症対策の頻回な手洗いなども外部からの刺激となります。刺激が繰り返されるとバリア機能が低下し、乾燥などの手荒れにつながります。

皮膚のバリア機能が弱いアトピー性皮膚炎などの人は特に注意が必要です。

手荒れ、ひび割れ予防に日頃からハンドクリームを

手荒れとは、私たちの皮膚を保護し、水分を保持する「バリア機能」が正常に働かなくなっている状態です。

手荒れが起こる前に、乾燥や刺激から手を守らなくてはなりません。水仕事や手洗いの前後にハンドクリームを塗ってこまめにケアすることが大切です。

市販のハンドクリームには、次のようにさまざまな種類があります。

ビタミン系

血行を促進するはたらきのあるビタミンEなどが含まれるタイプのハンドクリーム。手先の冷えやガサガサするひび割れやあかぎれがある場合におすすめです。

尿素系

硬くなった角質を柔らかくする働き・保湿効果のある尿素が配合されているタイプです。角質化して硬くなった手荒れに効果が見られます。

一方、あかぎれなどで傷がひどい時や粘膜(唇や目もと)周辺の皮膚が薄いところにはかえって刺激となる可能性も。使用は控えることをおすすめします。

保湿系

皮膚をコーティングし、水分蒸発などを防ぐことで乾燥を防ぐタイプが配合されているハンドクリームです。スクワランやホホバオイル、セラミド、ヘパリン類似物質などが含まれるものがあります。

水仕事の前に塗るなど手荒れ予防にも向いているタイプです。

かゆみ止め系

かゆみ止め成分のクロタミトンやジフェンヒドラミンなどが含まれるハンドクリームもあります。あかぎれなどで手がひび割れ、かゆみを伴う際に使うといいでしょう。

あまりにもかゆみが収まらない場合は、別の皮膚病も可能性も考えられます。受診して医師の指示を仰ぎましょう。

水仕事の前にはワセリン+手袋で手荒れ予防

水を使う作業をする際には、都度手袋をすることも重要です。
ワセリンなどであらかじめ手を保護した上で、手袋をし、手荒れが起こる前の予防を心がけましょう。

特に乾燥する季節は、洗濯物を干したりたたんだり、紙を束ねたりなど少しの家事の際にも手袋を用いると手荒れの悪化を防止できます。

手荒れやひび割れが治らず、かゆみがある場合

手荒れやひび割れがなかなか改善しなかったり、湿疹などが見られる場合は、炎症やかぶれなど他に原因があることも

またひび割れなどの亀裂が皮膚の表面から奥深く(真皮組織)までに及んでいる可能性もあります。主婦湿疹、手湿疹と呼ばれる手荒れがひどくなった症状です。

このような場合は皮膚科を受診し、ステロイド外用薬などの処方を受けましょう

日常生活で気をつけたい手荒れひび割れ改善ポイント

店内に入る前に消毒

手荒れを進行させないためには、日頃からの予防が大切。
次のポイントに注意し、バリアー機能の保持に気を配る必要があります。

水仕事の前後に保湿し、手袋をする

先ほども触れましたが、水仕事の時に手袋は欠かせません

ゴム手袋が面倒な場合は、使い捨ての手袋でも◎。また、刺激になる洗剤などは、肌に優しいものを選ぶといいでしょう。

手洗いの温度に注意

寒い季節は、ついつい温かいお湯を使ってしまいますよね。温度が高いお湯は、肌から皮脂を奪ってしまいます。少しぬるま湯(33~35℃)が適温です。

乾燥や荒れなど皮膚疾患を「漢方」でもサポート

実は、手荒れたひび割れなどの皮膚疾患の改善には漢方も効果的です。おすすめは温経湯(うんけいとう)です。

温経湯は、冷え症で、唇が乾燥している方などの月経不順や月経困難症、更年期障害などの婦人科系の不調の改善に力を発揮する漢方です。

「手」においても血流をよくして体を温め、内側から体質を改善する効果があるため、バリア機能が低下した、皮膚の乾燥や荒れにも効果が期待できます。

就寝前にはより念入りなケアを

寝る間のハンドケアで、次の日の手の調子は違ってきます。
ハンドクリームやワセリンを塗り込んだ上から、コットンの手袋をして寝るのもおすすめ
です。

消毒後にも保湿をする

感染症が気になり、頻繁に消毒をしてしまうのは仕方のないことですよね。消毒後、アルコールが乾いた後の保湿も忘れずに行いましょう。

最近は消毒しつつ、保湿成分も含むひとつになったハンドクリームも販売されています。

手荒れ、ひび割れには日常的な予防を

特に乾燥する冬は、漢方を含め意識して手荒れやひび割れから「手」を守ることが重要になります。

一旦手荒れやひび割れが起こってしまったら、回復には時間がかかります。水仕事や手洗いの前後には、 ハンドクリームや手袋をすることを習慣づけられるといいですね。

前もって手荒れ予防策を講じていても、手が荒れてしまう場合もあります。その際には、保湿クリームや漢方薬も活用して、症状を改善しましょう!

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